【未来型ディーラー降臨】「アウディシティ紀尾井町」とは何か? プレミアムカー販売の未来
公開 : 2020.02.05 11:29 更新 : 2021.10.09 23:54
東京都千代田区紀尾井町(きおいちょう)。ここにアウディシティ紀尾井町がオープンしました。そもそも紀尾井町とはどんな町なのか? アウディシティのコンセプトは? 販売の未来について桃田健史が取材しました。
紀尾井町(きおいちょう)ってどこ?
東京都千代田区紀尾井町(きおいちょう)。
都内在住の方でも、聞き慣れない場所かもしれない。
電車では、営団地下鉄銀座線・半蔵門線の赤坂見付駅や永田町駅、または有楽町線の麹町駅それぞれから徒歩7〜8分ほど。
明治から昭和初期は、丘陵を利用した高級住宅街だったが、現在はホテルニューオータニや、文春砲でお馴染みの文芸春秋本社などのビルが立ち並ぶ。
国会が近いことから政治家の事務所なども多く、平日の日中でも人通りが多いということはない。
そんな都心の隠れ家的なスポットに、アウディシティ紀尾井町がオープンした。
アウディシティについて、アウディジャパンは「これからのプレミアムカー販売の在り方を提示する都市型ショールーム」と定義付けている。
2012年から英国/ロンドンと中国/北京で試験的に導入した後、ドイツ/ベルリン、トルコ/イスタンブール、ロシア/モスクワ、ポーランド/ワルシャワ、英国/ウインブルドン、そして今回の東京/紀尾井町と世界各地での展開となっている。
それにしても、なぜいま東京で都市型店舗なのか?
重要性と将来性について、アウディジャパン関係者の声を直接聞きながら紹介する。
前年比8.4%減 2019年実績を真摯に
まず、アウディジャパンのフィリップ・ノアック社長が2019年日本販売について振り返った。
前年比8.4%減となる2万4222台という厳しい状況だ。
理由について、Q3が新しい燃費基準であるWLTP対応が遅れたことや、A6/A7でのディーゼルエンジンのTDI導入が遅れたことなど、日本での売れ筋商品の供給体制が整わなかったことを挙げた。
こうした状況に陥ったことを真摯に受け止め、2020年の日本市場向けの事業戦略に取り組む姿勢を示した。
注力するのは、大きく3点だ。
商品の拡充 積極的に市場導入
1点目は、当然ながら、商品の拡充だ。フルモデルチェンジ、マイナーチェンジ、限定モデルなど積極的に市場導入する。
TDIはもとより、RS Q3やTT RSなどパフォーマンス系、さらに電動車eトロンのラインナップを拡充する。
販売ネットワークの強化 投資額を拡大
2点目は、販売ネットワークの強化だ。新規開業が3店舗、大幅な改装が9店舗、さらに拠点の移動や改築が8店舗となる。
アウディジャパン本部として、販売ネットワーク関連の投資額を拡大して対応する。
顧客中心主義 独自システム有効活用
3点目は、顧客中心主義だ。ディーラー向けのネット上での技術トレーニング拡充など、アウディジャパン独自システムを有効活用する。
ディーラー教育がユーザーのアウディブランドに対する満足度アップに直結する。
こうした2020事業戦略の中で、アウディシティ紀尾井町が果たす役割とは何なのだろうか?