【なぜ?】日本のキャンピングカーからトイレとシャワーが消えた理由 背景に利便性/性能

公開 : 2020.03.01 09:50  更新 : 2021.07.27 14:44

最新トイレ「自動ラップ式」 自動的に密封

値段は16万円(税別)と少々張ってしまうが、においもなく、処理の手間も掃除もほとんど必要ない最新式のトイレがある。

タンクを外して中の汚物を流して掃除して……という手間から完全に開放されるのが「ララップポン・トレッカーWT-4」だ。

ララップポン・トレッカー 出典:ララップポン・トレッカー
ララップポン・トレッカー 出典:ララップポン・トレッカー

これは自動ラップ式排泄処理ユニットを搭載したポータブルトイレのこと。においを遮断する特殊フィルムで、排泄物を自動的に密封し、燃えるごみとして捨てることができる。

水を全く使わないため災害時などでも便利とあって全国の自治体や官公庁、一般企業や病院、自衛隊などに多数導入されている。

キャンピングカー専用というわけではないが、もちろんキャンピングカーの中で快適に使うことができる。(ラップするには電力が必要)

このようなトイレなら積極的に使いたいと思う人も多いだろう。

また、トイレよりもさらにキャンピングカーオーナーの関心が低いのがシャワーである。

シャワーはトイレのような緊急性が低いからか「なければなくても問題ない」というオーナーも多そう。

近年は全国各地に大規模な駐車場を備えた日帰り温泉施設が増え、ホテルや旅館などでも温泉だけの利用を可能とするところも多い。

旅先での温泉巡りがキャンプの楽しみになっている人も少なくないだろう。

高速道路のSA/PAにコインシャワーを備えるところも増えている。

シャワーに関心がないことには、もう1つの理由があるようだ。

シャワーに関心がない、もう1つの理由

しかし、実はシャワーに関心がない理由は、緊急性がない、日帰り温泉に行くので不要などの他にもう1つ重要な理由がある。

それは、「ホントに使えるキャンピングカー用シャワーが少ない」ということだ。

キャンピングカーに設置されるトイレ/シャワー。
キャンピングカーに設置されるトイレ/シャワー。

これまで3台のキャンピングカーを乗り継いできた、キャンピングカー歴30年のKさんは以下のように分析する。

「最初から装備されるシャワー設備があまりにも貧弱(水圧が低い、湯量が十分ではない、温めるのに時間がかかる,清水タンクへの給水がやりにくい他)、で、これを使ったオーナーが、このレベルでは到底実用には向かないとシャワーを使わなくなるのです」

「そして次回買い替えるときには『シャワー無しでいい』とシャワーへの関心度が低くなっていくんですね」

「ですが、使えるシャワーなら絶対備えるべきです。行楽シーズンは日帰り温泉施設も大混雑で、サイズの大きなキャンピングカーは駐車するのも大変」

「また、泥だらけになったアウトドアグッズの汚れや大きな鍋を洗うのにも使えます」

ちなみにKさんは現在キャブコン(キャブオーバーコンバージョン)を所有しており、「電気のない場所でも水→お湯がすぐにできて、たっぷり(100L前後)使えることから、ポータブルのガスボイラーでお湯を作ってシャワーを使用しているとのこと。

トイレとシャワー。キャンピングカーの利用頻度や日程、人数などによって設置の有無から考えるのが良さそうだ。

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