【新生グンペルト】燃料電池で走るFCVスーパーカー、ナタリーを市販化 中国の愛馳と
公開 : 2020.03.05 17:25
FCVのスーパーカーが市販へ。中国企業と手を組んだ「グンペルト」が、ナタリーの量産モデルを発表。キーワードはメタノールです。
グンペルト・アイウェイズ
かつてアウディのモータースポーツ部門を指揮したローランド・グンペルト。現在は、 中国のEVスタートアップ、Aiways(愛馳)の後ろ盾を得て、グンペルト・アイウェイズを率いている。
開催中止になったジュネーブ・モーターショー2020の日程にあわせて、同社がメタノール・フューエルセル・スーパーカー「ナタリー」の量産モデルを発表した。
AUTOCARでは2018年にプロトタイプを取材する機会に恵まれたが、ついに市販されることになったのだ。最初に市場に送り出されるのはナタリー・ファースト・エディション。
価格は40万7000ユーロ(4863万円)。専用ペイントを施されたモデルで、2021年初頭から納車が始まる。
ナタリー スペックは?
ナタリー・シリーズは、モデルライフを通じて500台だけが生産される予定である。
デンマークに拠点を置くサーエナジー社が開発した15kWのフューエルセルは、メタノールから水素を生成し発電する。
その電力は、2速ギアボックスを介して四輪に搭載されるモーターに配分。システム最高出力は543psを発揮する。
0-100km/h加速は2.5秒、最高速度は300km/hに達する。
航続距離800km
メタノールを利用するパワーユニットを選んだメリットは、貯蔵や使い勝手のよさと言われている。水素ステーションで資格保有者に充填してもらう必要もなく、3分ほどの作業で済んでしまう。
一般的なEVよりもはるかに短い時間の充填で、再び走り始めることができるのだ。グンペルトによれば航続可能距離は800kmだという。
外観は、スリムなヘッドライト、大きなエアインテーク、2018年の試作車から受け継いだクーペ調のシルエットが特徴。ダウンフォースを得るリアウイングも搭載されている。
ロードカーとして設計されているが、ナタリーはサーキット走行も想定されており、本来後席があるスペースにはFIAの規定に準拠したロールケージが組み込まれている。