【ふ頭に見慣れぬクルマの大群】なぜ? 中古も新車も右ハンドルも 横浜税関に聞いてみた

公開 : 2020.03.21 05:50  更新 : 2020.03.29 22:23

クルマ好きの聖地「大黒PA」の外にある、「大黒ふ頭」に、日本では馴染みのないクルマがたくさん並んでいます。それらの行先はオーストラリアやウクライナ、ロシアです。なぜなのか、理由を調べました。

クルマ好きの聖地「大黒PA」の外にあるふ頭

text:Kumiko Kato(加藤久美子)

全国からクルマ好きが集まる場所として、今や海外メディアもこぞって取材に訪れるなど、すっかり有名になった大黒(だいこく)パーキングエリア。オープンは1989年9月で丸30年が経過している。

日本のクルマ文化を発信する、世界的に有名な場所として、海外メディアが取材に訪れることも多い。

大黒ふ頭の最奥部にあるバースには、日本では馴染みのないクルマが並んでいる。
大黒ふ頭の最奥部にあるバースには、日本では馴染みのないクルマが並んでいる。

大黒PAは大黒ふ頭のほぼ中央に位置しており、首都高速神奈川5号大黒線のループの下にある。訪れたことがある人なら、輸出されるおびただしい数の日本のトラックや様々な種類の中古車をループの上から見たことがあるかもしれない。

大黒ふ頭は1970年代初頭から1990年にかけて整備された横浜港初の本格的な島式ふ頭である。近年とくに、海外へ輸出される日本車や大型建設機械の取り扱いが増加した。

そして、大黒ふ頭の南端にはT-3~8号と名付けられた公共利用のバースが並んでいる。直線距離で約1.2kmにもなる長いバースだ。

先日、T3-8バースのさらに先にある一般利用者向けの「大黒海釣り施設」に向かっていた時のこと。

何とも不思議な光景に出くわした。あまり馴染みのない、たくさんのクルマがフェンスの向こうの広大な駐車場に並んでいたのである。

大黒ふ頭の最奥部に韓国車の大群を発見

見たことのないクルマたちは大黒ふ頭の最奥部にあった。

まず現れたのは大量の小型SUVだ。同じカタチのクルマがたくさん並んでいるから新車なのだろう。最初は日本車だと思ったが、どうも雰囲気が違う。

ルノー・コレオス
ルノー・コレオス

よく見ると、フロントグリルには大きなルノーのエンブレムがついている。

ルノー製SUVで現在、日本で新車販売されているのはルノー・キャプチャーだけだ。全て右ハンドル車だったが、この顔は明らかにキャプチャーではない。

調べてみたところ、これは2016年春の北京モーターショーで世界発表された2代目「ルノー・コレオス」だった。

初代コレオスはかつて日本でも販売されていたことがあるが、2016年に日本での販売を終了し2代目からは販売されていない。

ちなみに、初代ルノー・コレオスは日産・ルノー・サムスンの3社によってはじめて共同開発されたSUVで、開発のメインは日産自動車、生産はルノーサムスンの釜山工場で行われており、釜山港から全世界に輸出されている。

ルノーサムスン版の車名はQM5(初代)、2代目がQM6となる。

日産で言うと、エクストレイルや北米で大人気となっている日産ローグなどとプラットフォームを共通にしている。

ずらっと並んだルノー・コレオスのフロントガラスに貼られた「行先」はオーストラリア・メルボルンだった。それで右ハンドルなのである。

Tバースのもっと奥に進むと、またさらに不思議な光景が広がっていた。

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