【日本を軽視?】なぜ日産車の車齢が長いのか 挽回できる策はあるか 期待される4モデル
公開 : 2020.04.16 05:50
日産CEO「最大の課題は『車齢の長さ』」
決算は厳しい内容だった。
アメリカで、インセンティブ(販売奨励金)を大幅に削るなどして、販売の質を上げたが販売量が想定以上に落ちた、と指摘した。
その他、中国での景気減速に加えて、新型コロナウイルス感染が世界で最も早く広まった。日本ではやはり、消費税アップの影響が出た。
などなど、いろいろな理由を言うのだが、最も大きな課題は「車齢の長さ」だと認めている。
内田CEOをあえて言葉に出さなかったが、日産車の車齢がここまで伸びてしまったのはゴーン戦略の根本的な失敗だ。
筆者(桃田健史)が知る限り、日産社内では様々な新車企画、開発、デザインが着々と進んでいたにもかかわらず、ゴーン経営陣の決断は市場変化をしっかりとつかみとれず、すべてが後手に回った。
その上で、内田CEOは「2022年を目指して、各地域へ車種群の集中戦略をとる」と言い切る。
具体的に、各地域の車種群とはどんなモデルなのか?
集中戦略というのは結局、海外市場を優先して日本は後回しという、現状と何がどう違うのか?
日本での集中とは、軽自動車への一極集中を意味するのか?
そうではなく、新規モデルや既存モデルのフルモデルチェンジを早期に行うのか?
中国/北米/欧州マーケットの人気車種
現状で、各地域での車種群は、中国、北米、欧州、日本、その他の新興国で分かれている。
日産の総販売台数のうち、最も大きい約30%を占める中国では、中国向けシルフィとエクストレイルが主役。今後はさらに、SUVシフトが進みそうだが、セダンも根強い人気がある。
次に北米は、中大型SUVなどライトトラック市場が今後も伸びる。
欧州は、ジュークやキャッシュカイなど小型SUVがこれからも主役だ。
では、日本はどうなる?
小型SUV/中〜大型SUVに期待よせられる
電動化や自動運転技術など、日産インテリジェントモビリティを世界に発信するショーケースとしての役割がさらに強まる。
そこで投入されるのが、世界で唯一eパワー搭載となるキックス。そして、今年後半の登場が期待される、クロスオーバーSUVでEVのアリアだ。
エクストレイルと、さらに大きなクロスモーションは北米導入を皮切りに日本上陸の可能性が高い。これらは2021年以降と推測される。
日産はいま、ゴーン戦略から完全脱却するため、ゼロベースでの変革を進めている。
いまだ先行き不透明ながら、日本での新車導入を着実進めることは間違いない。