【なぜ後継の予定なし?】ロータリー復活かけたマツダRX-8 ライバルはBMW 3シリーズだった!?
公開 : 2020.04.22 05:50
マツダRX-8の後継について、ほとんど噂がないといっていいでしょう。BMW 3シリーズの隣でおこなわれた開発や発表を振り返りつつ、RX-8後継はあり得るのか? RX-9になるのか。桃田健史が考えます。
マツダRX-8 後継の噂がない……
ロータリースポーツカーは、いつ登場するのか?
2015年の東京モーターショーでお披露目された「RXビジョン」で「RX-9」誕生というマツダファンの期待が高まったが、近年ではそうした噂がすっかり消えた。
RXビジョン発表時に明らかにされた、スカイアクティブRの開発はまだ継続しているのか?
その後に発表された次世代エンジン開発計画では、ロータリーはEV向け発電機となり、レンジエクステンダーの存在は明らかになった。
しかしRX-9についても、スカイアクティブRについても話は途絶えてしまっている。
一方、「RX-8」はどうなるのか?
仮称RX-9は、「RX-7」の流れを汲むイメージがある一方で、RX-8はRX-7とは一線を課する独創的なクルマだった。
RX-8後継の可能性はないのだろうか?
時計の針を少し戻そう。
マツダは2003年1月7日、ローターリースポーツカーRX-8の予約販売を始めた。価格は240万円から275万円で、いま(2020年)の感覚では、割安感を感じる。
当時、自動車メディアの多くがRX-8に対して持った印象は、「どうして登場まで、こんなに時間がかかったのか?」という点だった。
なぜだったのか?
アメリカを意識して開発したRX-8
RX-8の原型である、「RX-EVOLV(エボルブ)」が登場したのは、第33回東京モーターショー(1999年10月23日~11月3日:幕張メッセ)だ。
ここで2つの点に注目が集まった。
1つは「全く新しい4シータースポーツカー」であること。
もう1つは「新開発のコンパクトなロータリーエンジン『RENESIS(レネシス)』を搭載することで、ボディサイズがRX-7と同程度でも、4人がしっかり乗車できる」という点だ。
その14か月後、北米国際自動車ショー(通称デトロイトショー)に、デザインモデルとした「RX-8」という名称が始めて明らかになった。
筆者(桃田健史)は発表の現場にいたが、当時フォードから派遣されていた米国人のマツダ幹部らはメディアに向けて「これまでにないスポーツカーの分野を切り開く」という言葉を繰り返し使った。
RENESISについては「マツダ伝統の技術」という切り口で、ロータリーエンジン復活を主張した。
マツダがRX-8としてのお披露目の場にアメリカを選んだのは、マツダの歴史を振り返れば当然だと言える。
日本では燃費の悪さから事業継続が危ぶまれていたロータリーエンジンが、その後も生き延びることができたのは、アメリカでのRX-7成功に他ならないからだ。
2000年代初頭のアメリカは、マッスルカー復活など、スポーツカー新時代幕開けの兆しがあった。
ところが……。