【回復への道は?】4月の登録車販売、歴代ワースト2位 コロナ禍/新モデルの少なさが影響

公開 : 2020.05.12 07:20

4月の登録車の販売は、東日本大震災直後の春に次ぐ低水準となりました。もちろん、新型コロナウイルス感染拡大の影響です。業界関係者の声から、様々な要因が浮かび上がりました。今後の展望とともに検証します。

3.11直後に次ぐ低水準

text:Naojiro Onuki(大貫直次郎)

2020年4月期の登録車の新車販売台数は、前年同月比25.5%減の17万2138台と、7か月連続での前年割れとなる(速報値、日本自動車販売協会連合会まとめ)。

軽自動車と合わせた台数でも、同28.6%減の27万393台と7か月連続でのマイナス。しかも4月単月の販売台数としては、統計を取り始めて以来、東日本大震災直後の2011年(18万5673台)に次ぐ歴代2番目の低い数字を記録した。

新型コロナウイルスの感染拡大によって客足が遠のいた4月。新型ヤリスが登録車の販売1位と健闘したトヨタは、前年比19.8%減に抑える。
新型コロナウイルスの感染拡大によって客足が遠のいた4月。新型ヤリスが登録車の販売1位と健闘したトヨタは、前年比19.8%減に抑える。

4月期の登録車のブランド別新車販売台数では、新型ロッキーの販売が堅調なダイハツが前年同月比26.0%増の3354台とプラスを達成したものの、それ以外のブランドはすべて2桁のマイナス。

そのうち、新型ヤリスをリリースしたトヨタが、同19.8%減(9万1721台)。新型フィットをリリースしたホンダが、同14.2%減(2万2346台)と10%台減で抑える。

一方、目立った新車の発売がなかった日産は同44.7%減(1万2475台)、マツダは同24.4%減(6339台)、スズキは同47.0%減(6065台)、スバルは同56.0%減(3587台)、レクサスは同23.3%減(3203台)、三菱自は同65.4%減(972台)と、大幅な落ち込みとなった。

苦しい結果に終わった4月の動向と今後の展望について、関係者の話を聞いてみよう。

新モデルの少なさも一因 今後は?

4月期の登録車の販売動向について業界団体の関係者は、「昨年の消費増税から続く景気の先行き不安が消費マインドを押し下げていることに加え、新型コロナウイルスの影響が大きく出た」と説明。

「4月7日からの緊急事態宣言に伴う外出自粛で販売店への来客が減り、また販売店自体の時短営業などが、東日本大震災以来の大幅減という成績となって表れた」

「販売の回復は、新型コロナウイルスの感染拡大の終息、そして政府が打ち出す景気刺激策にかかる」と業界関係者は話す。
「販売の回復は、新型コロナウイルスの感染拡大の終息、そして政府が打ち出す景気刺激策にかかる」と業界関係者は話す。

そのうえで、「大がかりな販売キャンペーンが展開できないこと、全面改良から一定期間経過したモデルが多いことも、不振の一因」と解説している。

今後については、「新型コロナウイルスに対する緊急事態宣言が5月6日から5月31日まで延長され、景気の不透明感などから購入を控えるユーザーがますます増えることが予想される。一方、メーカー側でも需要の減少や部品調達の停滞、そして国や都道府県による外出抑制策などで、生産ラインの一時停止が相次いでいる」と分析。

「5月期はいっそう厳しい結果が避けられそうにもない。短中期的に見た販売の回復は、新型コロナウイルスの感染拡大の終息、そして政府が打ち出す景気刺激策にかかっている」と指摘した。

それでは4月にはどんなモデルが売れたのか、車名別ランキングを確認しておこう。

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