【最後の空冷フラット6】ポルシェ911 993型は今が買い時 英国版中古車ガイド
公開 : 2020.07.23 10:20 更新 : 2021.07.12 18:45
不具合を起こしやすいポイント
エンジン
エンジンオイルは1万9000kmごとには交換しておきたい。油量や油温は、試乗と一緒に確かめたい。油温が高すぎる場合などは、センサー異常のこともある。チェーンカバーやバルブカバー、カムカバーなどからのオイル漏れがないかも確かめる。
ヒートエクスチェンジャーからの、オイルの燃焼臭にも注意する。16万km以上を走っている場合、エンジンがリビルトされている場合もある。走行距離が短いクルマの場合、整備記録の内容や走行履歴、ホース類の状態などを確認したい。
排気系
ヒートシールドやサイレンサーの溶接部分の腐食を見る。もしマフラーが交換してあるなら、車検対応かどうかも確かめたい。
トランスミッション
MTの場合、定期的なフルード交換でトラブルを防げる。クラッチは普通に乗っていれば11万kmくらいは保つ。ティプトロニックの場合、トルクコンバーターからの異音は、残念なお知らせとなるだろう。
ブレーキとサスペンション
ディスク表面に加熱で溶けた穴が空いていないか、エッジに不自然な欠けがないか観察する。サスペンション・ブッシュは6万4000kmくらいで交換しておきたい。新しいブッシュにダンパー、ボールジョイントなどで姿勢制御は引き締まる。
ボディ
ヘッドライトと前後のガラス、リア・シャシー周り、リア・バンパーサポート・ブラケット、スカットルやフロント・フェンダー周りが錆びやすい。ドアストラップが壊れていないかも確かめる。
インテリア
ヒーターに問題がある場合、ヒートエクスチェンジャーの動作を確かめる。エアコンはレジスターの不具合で故障することがあるが、新しいシステムはかなり高価。カーペットの湿り気も高めたい。
専門家の意見を聞いてみる
ポール・オレイリー アシュグッド代表
「ここ4週間の間に、993を6台販売しています。3万ポンド(402万円)のカレラ2 ティプトロから、30万ポンド(4020万円)のターボSまで、幅広いですね。価格の上昇は、一部の仕様を除いて穏やかになってきています」
「最近、左ハンドルの3.8L RSを、20万ポンド(2680万円)で売ったところです。数年前なら15%ほどは高い価格でした。希少性が高いほど、価格も上がります。英国には23台しかない右ハンドルのターボSなどは良い例です」
「もし資金に余裕があるなら、993は満足させてくれるはず。クーペやカブリオレだけでなく、AT車やターボ、レース仕様など、様々なタイプが選べますよ」