ポルシェ「GT」シリーズの歴史　後編

公開 : 2018.04.28 17:10　　更新 : 2019.05.04 13:03

GT系ポルシェシリーズ、後編です。現在でも馴染み深い水冷モデルが中心となっています。最近では、991型のGT3RSやGT2RSがニュルブルクリンクで7分切りの記録的なラップタイムを見せつけたことが話題となっています。

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ポルシェ997 GT3ー2006年：今まで繰り返し用いられてきた手法を使い、ポルシェは415psの3.6ℓエンジンを搭載する997型のGT3を2006年に発売した。以前までと同様に不要なパーツはすべて取り除かれたが、史上初めて電動調整式のショックアブソーバーが装備された。オプションでスポーツ・クロノ・パッケージも用意された。3.8ℓの後期型は435psだ。

ポルシェ997 GT3 R/ハイブリッドー2010年：疑問をもつひとのために言っておくと、この「R」はレーシングの頭文字だ。このクルマは487psのエンジンに6速シーケンシャルギアボックスが組み合わされている。カップカーよりもさらに30ps上乗せされ、車重は1200kgまで落とされた。もうひとつのモータースポーツ専用車が「ハイブリッド」だ。カーボンファイバー製ボディと内蔵エアジャッキを備え、前軸に設置されたモーターが駆動と回生発電を行っている。最も重要なことは、101psの上乗せにより0-100km/h加速はわずかに2.5秒だ。

ポルシェ・ケイマンGT4ー2015年：ポルシェが911シリーズより下位のモデルにGTを設定するのは25年ぶりのことであった。このクルマは0-100km/hの加速を4.2秒でこなす。しかし、それ以上に重要なのはこれが他の個性豊かな祖先たちと並ぶ貴重なクルマだということだ。すでにコレクターズアイテムとなっている。

ポルシェ911 GT2 RSー2017年：700psを手に入れたことにより、ポルシェはそれほど軽量化に尽力する必要はなくなったとも考えるだろう。しかし、ルーフやボンネットはマグネシウム製、ウイングやトランクはカーボン製だ。そしてサイドとリアのウインドウはポリカーボネート製になり、チタン製エグゾーストを備える。それでも1470kgの車重があるが、0-97km/hを2.7秒で加速する。最高速度は338km/hだ。

ポルシェ911 GT3 RSー2017年：現行の911ラインナップの核となるのはこのGT3だろう。最初に搭載されたのは8250rpmで482psを発揮する3.8ℓエンジンだ。これを不十分だというひとはいないだろう。しかし、ポルシェは第2世代版を開発した。これは9000rpmまで回る4.0ℓで、507psだ。もしこれでも不満だというのなら、マグネシウムルーフやカーボンパネルによる軽量化を果たしたRSがある。これはニュルブルクリンクのラップタイムを先代より7秒短縮した。

ポルシェ993 GT2ー1993年：ポルシェのGTシリーズの価値を知りたいのなら、2016年に184万8000ポンド（2億7856万円）の値がついたこの993型GT2だ。フルオリジナルの完璧なコンディションで低走行ではあるが、戦歴のあるレースカーではなくロードカーにこの価格がついたのだ。993 GT2はどんな状態であれ手に入れる価値のあるクルマだ。436psの3.6ℓターボは現代の基準で考えても速い。ハンドリングも強化された空力性能によるダウンフォースで改善されている。そしてこのボルトオンされたオーバーフェンダーを好まないひとがどこにいるだろうか？

ポルシェ911 GT3ー2017年：すでに先代で話題をさらったクルマを次期型でどう改善するか？　2017年に991型GT3を発売したポルシェに迷いはなかった。9000rpmまで回る482psの3.8ℓを搭載する。全員がPDKを気に入っているわけではないが、速さ、レスポンス、そして俊敏さは非の打ち所がない。

ポルシェ996 GT2ー2001年：911ターボのエンジンを後輪駆動のパッケージに搭載したのがこの996型GT2だ。この3.6ℓユニットは462psを発揮し、0-100km/hの加速は3.7秒だ。最高速度は320km/hに達する。ハンドリングは10mm低められた車高と固定式リアウイングによるダウンフォースにより改善されている。

ポルシェ996 GT3ー1999年：ハードコア版911を望む声に応え、GT3のバッジを付けたこのモデルが1999年に発売された。以前のGTシリーズと同様に、遮音材、サンルーフ、エアコンなどを排除することによる軽量化が行われた。993型のエンジンからは確実に進化を遂げ、水冷式となった。360psを発揮し、シングルマスのフライホイール、レーシングシート、ハーフロールケージなどが含まれるクラブスポーツ・パックも選択可能だった。第2世代ではよりパワーアップとカーボンセラミックブレーキのオプションが追加された。RS版はそれらを標準装備し、406psとなった。

ポルシェ997 GT3 RSー2006年：過激なモデルをさらに過激にするというのが、RSの思想だ。そこで997型のGT3 RSでは20kgの軽量化をしつつ、よりトレッドを拡大するため全幅が64mm広げられた。搭載されるフラット6は初期の441psから2010年の第2世代では456psまで引き上げられた。その後、500psのGT3 RS 4.0が発売され、ニュルブルクリンクのラップタイムは7分27秒をマークした。

ポルシェ997 GT2ー2007年：997型GT2は昨今のハイパーカーの先駆けとなるクルマだ。530psの3.6ℓエンジンにより0-100km/hの加速を3.6秒でこなし、最高速度は328km/hに達した。RSバージョンでは620psにまで引き上げられ、0-100km/hは3.5秒、最高速度は330km/hだ。

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