ディーゼル・ハイパーカー登場か? 熱効率80%、次世代パワートレインの夢

公開 : 2024.01.08 18:05

・ネヴェーラなどの電動ハイパーカーで知られるリマックが新技術に着目。
・軽油などの液体燃料とナノチューブを用いた次世代電動パワートレイン。
・熱効率80%? バッテリー要らずで軽量化&小型化を実現か。

ナノチューブと液体燃料で発電

電動ハイパーカーで知られるクロアチアの自動車メーカー、リマックは、次世代モデルに軽油などの液体燃料を使う新技術を模索している。

同社の創業者でCEOのマテ・リマック氏は取材に対し、現在生産が進められているネヴェーラの次のモデルについて言及し、画期的なアイデアを試みていることを明かした。

現行ネヴェーラの120kWhバッテリーは、約3.2km/kWhとエネルギー効率が低い。
現行ネヴェーラの120kWhバッテリーは、約3.2km/kWhとエネルギー効率が低い。

「リマックはEVだけに特化しているわけではありません。その時最もエキサイティングなことを何でもやります」と彼は語り、いわゆるナノチューブが自動車のエネルギー源になり得るかどうかを見極めるプログラムに「取り組んでいる」と認めた。

簡潔にまとめると、「化学的に異なる」液体燃料を過熱して電気を発生させ、それを電気モーターの動力源として使用することで、従来のバッテリーの代わりにするというものだ。

マテ・リマック氏は燃料の例として、液化石油ガス、水素、軽油を挙げた。ある新興企業がこの実験に取り組んでおり、従来の内燃エンジンの熱効率が平均30%であるのに対し、ナノチューブは80%を達成することがテストで示されたという。

このプロセスの副産物としてCO2やその他のガスが発生するが、従来の内燃エンジンの排出量よりはるかに少ないとのことだ。

リマックは、この技術が自動車業界全体、特に「スポーツカー」に大きな影響を与える可能性があると期待する。電動ドライブトレインから駆動用バッテリーを省くことで、大幅な軽量化とパッケージング上の利点が得られるかもしれない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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