ボルボの次世代高級セダン「ES90」 全長4.9m、航続距離600km 2025年発売か

公開 : 2024.01.09 06:25

・ボルボS90の後継となる電動セダン「ES90」の写真と仕様書が一部リーク。
・プロトタイプの製作開始、年内デビューの可能性。全長4999mmの高級EV。
・111kWhバッテリー搭載で、航続距離は600km。

中国で試作車完成 年内デビューも?

スウェーデンの自動車メーカーであるボルボは、2025年に新型のフラッグシップEVを投入する。セダンのS90の後継車で、「ES90」と呼ばれる可能性が高い。

この新型車はボルボ社内で「V551」というコードネームで呼ばれており、生産は親会社のジーリー(吉利汽車)が中国の工場で行う予定である。同社の取締役会で、写真と仕様書の一部がリークされ明らかになった。

リーク情報を基に作成した「ES90」の完成予想イメージCG。
リーク情報を基に作成した「ES90」の完成予想イメージCG。    AUTOCAR

ボルボの従業員用イントラネットに公開された写真には、浙江省の同社の生産チームが「Volvo Cars V551 First VP Car Celebration」と「Confidential Top Secret」と書かれた看板に身を寄せている様子が写っている。VPとは「Verification Prototype(検証用プロトタイプ)」の略である。

車両はカバーにより覆い隠されているが、そのシルエットから中~大型の4ドア・セダンであることがうかがえる。

ボルボのSPA2プラットフォーム(新型EX90ポールスター4と同じ構造)をベースに開発される見込みだ。リークされた仕様書によると、シングルモーター/後輪駆動とデュアルモーター/四輪駆動の2種類のドライブトレインが用意されるようだ。

また、容量111kWhのバッテリー(使用可能容量107kWh)を採用し、航続距離600kmを実現するという。

ボディサイズは全長4999mm、全高1547mm、全幅1945mmで、BMW i5より短いが、高さ・幅ともに一回り大きい。ホイールベースもi5より105mm長い3100mmである。

新型ES90(仮称)の開発は、ジーリーの新型ギャラクシーE8およびジーカー7(いずれも上級EVセダン)と一部共同で行われたと見られている。

初期段階では、新型ポールスター5と接着アルミ構造を共有する可能性もあったが、予想される価格帯や生産台数から妥当ではないと考えられる。

ボルボは英国など一部市場において、SUVの需要が圧倒的に高いとして、セダンおよびステーションワゴンモデルの販売を停止している。ES90がどの市場に投入されるかは今のところ定かではない。

2025年の市場投入を前に、2024年内に正式発表される可能性がある。

記事に関わった人々

  • 執筆

    グレッグ・ケーブル

    Greg Kable

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ愛知在住。幼少期から乗り物好き。住宅営業や記事編集者といった職を経て、フリーランスとして自動車メディアで記事を書くことに。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。

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