「フェラーリ製V8」を限定搭載 マセラティ・レヴァンテ V8ウルティマへ試乗(1) 今もインパクト強の容姿

公開 : 2024.01.14 19:05

全長から期待するほど広くない車内空間

インフォテインメント・システムは、マセラティのタッチ・コントロール・プラス(MTC+)。従来のUコネクト・システムをベースに、見た目を調整したOSといえる。

タッチモニターは8.4インチで、アップル・カープレイとアンドロイド・オートに対応。ラジオやカーナビのほか、シートヒーターなどの操作も画面を介することになる。

マセラティ・レヴァンテ V8ウルティマ(欧州仕様)
マセラティ・レヴァンテ V8ウルティマ(欧州仕様)

メニュー構造は覚えやすいが、操作に対しグラフィックの反応が遅れ気味。ショートカットキーがなく、都度メニュー画面へ戻るのが面倒に感じることもあった。

車内空間は、5005mmの全長から期待するほどではない。後席と荷室の広さは、ポルシェカイエンランドローバーレンジローバーに及ばない。もっとも、マセラティを選ぶ人は、実用性が多少劣ることを予め理解しているのではないかと思うが。

リアシート側の足元の前後長は、レヴァンテで710mm。レンジローバーは740mm、カイエンは790mmある。大人4名が快適に移動できるとはいえ、空間効率はもう少し練ることができるだろう。

荷室容量は580L。同様に、ライバルはそれぞれ745Lと784Lで、小さくない差がある。

ドライビングポジションは、若干自然さに欠ける。シートとステアリングコラムの調整域は大きいものの、筆者にはしっくりこなかった。右ハンドル車の場合は、ペダル位置が右側へ大きくオフセットし、左足の置き場も限られる。

ステアリングホイールは意外なほど大きく、リムは手にフィットしにくい。シートも、横方向のサポート性に優れるが、腰のランバーサポートがもう少し欲しい。

この続きは、マセラティ・レヴァンテ V8ウルティマへ試乗(2)にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

マセラティ・レヴァンテ V8ウルティマへ試乗の前後関係

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