VWゴルフ 改良新型の姿が明らかに 生成AI導入、使い勝手も向上か
公開 : 2024.01.10 06:05
・1月9日開幕の米CES 2024にて、VWゴルフの改良新型が一部お披露目。
・フロントエンドの顔つきが大きく変わり、インテリアも一新。
・「ChatGPT」採用の音声アシスタントを導入。声で多彩な操作を。
大改良で顔つきが一変
ドイツの自動車メーカーであるフォルクスワーゲンは、小型ハッチバックのゴルフの改良を間近に控えているが、正式発表に先駆けて内外装デザインが一部明らかになった。
「第8.5世代」とも言われる改良新型ゴルフは、1月9日に米ラスベガスで開幕したCES 2024においてカモフラージュ付きのプロトタイプが展示されたが、車載スクリーンに映る画像から、フロントエンドのデザインが変更されることがわかった。
ロアグリル、エアインテーク、ヘッドライトが一新されており、現行車とは明らかに異なる。画像はフロントエンドのみを示しているが、リアも同様の変更が予想される。
改良新型ゴルフは、今春に予約受付が開始される予定だ。
今年は、ゴルフがビートルに代わってフォルクスワーゲンの中核モデルとなってから50年の節目にあたる。ゴルフは全世界で累計3700万台以上が販売され、同社のベストセラー車となっている。
「ChatGPT」導入へ
現行世代は2020年に発売され、4年目にして大幅な改良を受けることになる。最大の焦点はインテリアで、人間工学、素材の質感、機能性の向上を図っている。タッチスクリーンを多用するデザインは顧客に不評であることが判明し、全面的な転換を迫られたためだ。
フォルクスワーゲンのブランドCEOであるトーマス・シェーファー氏は昨年、本誌の取材に対し、ゴルフを含む現行車のインテリアに対する批判が広まり、ブランドに「間違いなく大きなダメージを与えた」と語った。
そこで、ゴルフはダッシュボードを一新し、中央に12.9インチの大型インフォテインメント・ディスプレイを配置し、最新世代の車載システム「MIB」を搭載する。デジタルメーターは10.4インチとなる。
ID.3やID.7などで導入された現在のMIBシステムは、起動が遅く、移動中に使いにくいという指摘が多かった。今回の改良では、メニュー構造の改善、処理速度の高速化、ディスプレイの高解像度化を実現したという。
さらに、生成AI「ChatGPT」採用の音声アシスタント、IDA(アイーダ)も導入される。ナビやエアコンなどの機能を、従来よりも多彩な音声コマンドで操作できるという。
ChatGPTを統合することで、乗員は「より自然で会話的な方法」でクルマとコミュニケーションできるようになると、米国のソフトウェア会社セレンスのイクバル・アルシャドCTOは言う。
乗員は「ヘイ、アイーダ」と呼びかけ、「温度を上げて」「近くの充電器を教えて」といった具体的な指示を出すことができるが、新しい生成AI技術によって一般的な入力にも反応できる。
例えば、「寒い」「新しい携帯電話の充電器を買いたい」のほか、「バターチキンが食べたい」といった入力にも反応し、ChatGPTがオンラインで入手したレシピを返答するという。
アイーダは、最新世代のインフォテインメント・システムを搭載したフォルクスワーゲン全車に無線アップデートで展開され、今後すべての新車に搭載予定だ。フォルクスワーゲン・グループの複数ブランドにも展開するが、アウディの名はまだ確認されていない。
画像 第8世代ゴルフが大幅改良! デザイン刷新、ChatGPTも搭載【改良新型VWゴルフのプロトタイプと現行型を写真で比較】 全20枚