他を寄せ付けない「王者的」世界観 メルセデス・ベンツGL(初代) UK中古車ガイド
公開 : 2024.01.16 19:05
新車時代のAUTOCARの評価は
メルセデス・ベンツGLの、能力の幅広さに疑う余地はない。オンロードだけでなく、オフロードでも見事な走りを披露する。
ガソリンターボとディーゼルターボ、2種類のエンジンも優秀。豊潤な動力性能を選ぶか、不満ない走りと優れた燃費性能を選ぶか、チョイスが可能だ。(2012年4月2日)
オーナーの意見を聞いてみる
ハーマン・カーン氏
「2011年式の350 CDIを購入してから、7年目になります。当初の走行距離は12万8000kmほどでしたが、今では20万kmほどへ伸びました。多彩な能力を備えた、プレミアムSUVですね」
「ただし不具合は少なくなく、修理の請求が高額になることも。自分は正規部品をディーラーで取り寄せ、独立系の専門ショップで整備してもらうことで、費用を抑えています」
「エアサスペンションのコンプレッサーとエアスプリングを、最近交換しました。走行距離と年式を考えれば、納得できる範囲でしょう。まだ数年は乗りたいと考えています。自分が望む通りの、見事なオールラウンダーだと思います」
購入時に気をつけたいポイント
ボディ
テールゲートは電動。制御モジュールの故障で開かなくなる。四隅の擦り傷だけでなく、オフロード走行での損傷がないか、下回りも観察したい。
エンジン
2008年式より以前の5.5L V8ガソリンターボでは、シリンダーヘッド後部のカムプラグからオイル漏れしやすい。V6ディーゼルターボの350 CDI ブルーエフィシェンシーでは、アドブルーの残量を確認したい。
320 CDIでは、シールの劣化によるオイルクーラーからのオイル漏れや、温度センサーの不調などが起きがち。クランクケースのベンチレーション・システムが原因で、オイルがターボ内に流入することがある。
トランスミッションとブレーキ
定期的なフルードとフィルターの交換が、ATの寿命を伸ばすカギ。放置すると、異音や振動、フルード漏れを招くことも。センサーのエラーは、接触不良や腐食、汚れなどが原因になっている場合も。
ブレーキディスクとパッドの交換は、安くできない。ブレーキフルードは、2年毎の交換が望ましい。
サスペンションとステアリング
エアマチックと呼ばれるエアサスペンションは、不調が起きるとメーターパネルにエラーが表示される。コンプレッサーの故障、エアストラットの破損、エア漏れやバルブブロックの不調など、原因は多岐に及ぶ。
速度感応式パワーステアリングの動作を確かめたい。高速域でもステアリングホイールが重くならない場合は、ラックのソレノイド不調が考えられる。
インテリア
電子機器など、車載装備のすべてが正常に動くか確かめる。修理は安くない。パワーシートはスライドするだけでなく、電動で折り畳める。
パノラミック・サンルーフは、時間経過とともにシールが劣化し、水漏れしがち。電気系統へ侵入し、悪さする場合も。