クラストップの「オンロード」性能 トヨタ・ハイラックス GRスポーツIIへ英国試乗 包括的アップグレード
公開 : 2024.01.20 19:05
日本でも人気のハイラックスへ、GRスポーツ IIが登場 専用サスとスタビライザーで高性能化 オンロードでの操縦性はクラストップ 英国編集部が評価
専用サスでハイラックスを高性能化
ピックアップトラックの高性能化は、V8エンジンを載せたフルサイズのフォードF-150がゴロゴロ走るアメリカでは一般的ながら、それ以外の市場ではマイナーといえた。交通環境が狭い欧州では、ほぼ素のまま乗られることが普通だった。
しかし、そんな傾向へ一石を投じたのが、フォード・レンジャー・ラプター。大胆にドレスアップし、走行性能を大幅に高めた高価な仕様へ、近年は欧州でも熱い視線が送られている。
そんな変化を、現在のトヨタが見過ごすはずがない。スタイリングの変更とフロント・サスペンションの改良などで、昨年マイナーチェンジを受けたハイラックスへ、トップグレードとしてGRスポーツが追加されていた。
しかし、主な違いといえたのは、専用フロントグリルや荷台のスポーツバーなど。ガズーレーシングのロゴも随所に散りばめられていたが、レンジャー・ラプターと比べて、ちょっと力の抜けた内容だったことは否めなかった。
そんな反応を知ってか、2024年に登場したGRスポーツIIには、大幅なアップグレードが施されている。スタビライザーが専用品となり、ショックアブソーバーは直径46mmのアイテムを採用。トレッドは70mmも広げられた。
リア・サスペンションも同様。太いショックアブソーバーが、ラダーフレーム・シャシーの外側でキラリと光る。
遥かに包括的な内容 203psのエンジンはそのまま
この変更により、ハイラックス GRスポーツIIのボディサイドには、ブラックの勇ましいオーバーフェンダーが追加される。欧州仕様では、空力特性へ配慮されたスポーツバーと、フロント・メッシュグリル、ブラックのサイドステップなども獲得する。
従来のリア・ブレーキはドラムだったが、GRスポーツIIではディスクへ変更。制動力も、確実に高められた。
ブレーキキャリパーはレッドに塗られ、専用デザインの17インチ・アルミホイールを履く。見た目の印象は、ノーマルのハイラックスと比べて、明らかにアグレッシブだ。
キャビン内では、部分的にスウェードが混ざる、ブラック・レザーのスポーツシートを装備。シートベルトはレッドで、ペダルも専用のものが与えられる。
ダッシュボード上には、無線でのアップル・カープレイと、有線でのアンドロイド・オートに対応した、8.0インチ・タッチモニターが載る。ステアリングホイールやシートなどには、レッドとブラックのGRロゴがあしらわれる。
車高は20mm高くなり、路面とボディが接する角度は、フロント・オーバーハング側のアプローチ・アングルで29度から30度へ上昇。昨年のGRスポーツ「I」より、遥かに包括的な内容といえる。
203psと50.9kg-mを発揮する、2.8L 4気筒ディーゼル・ターボエンジンは変わらず。それでも、アップグレードの効果は走りの面でも明確で、特にグリップ力は目に見えて向上。通常のハイラックスより、確実に路面を捉えていた。