クラストップの「オンロード」性能 トヨタ・ハイラックス GRスポーツIIへ英国試乗 包括的アップグレード

公開 : 2024.01.20 19:05

オンロードでの操縦性に長けたピックアップ

専用サスペンションが組まれ、トレッドが広がったことで、乗り心地も改善した。基本的にピョコピョコと跳ね気味だった特性は改められ、ずっと安定性が増している。まだ揺れは残っているが、ノーマルとの違いは歴然だ。

欧州市場で直接のライバルとなるのが、ディーゼルターボを積んだレンジャー・ラプター。ハイラックス GRスポーツIIの方が走りは軽快で、ステアリングの反応は正確性が高い。グリップ力を活かし、高めの速度域で意欲的にコーナーへ飛び込める。

トヨタ・ハイラックス GRスポーツII(英国仕様)
トヨタ・ハイラックス GRスポーツII(英国仕様)

攻め過ぎると、フロントが外へ膨らむアンダーステアへ転じてしまうが、このクラスでは特に、オンロードでの操縦性へ優れたピックアップトラックになった。乗り心地も、レンジャーと同等レベルにある。

ただし、オフロードでの印象は若干犠牲になっている。小石が露出したダートコースを走らせてみたが、洗練性ではノーマルのレンジャーへ届いていない。フォルクスワーゲン・アマロックにも。

車重は僅かに軽くなり、2150kg。積載量は1tがうたわれる。

GRスポーツIIは、過去イチで大胆なハイラックスだろう。ワイドなトレッドと、引き締められたサスペンションのおかげで、オンロードでの印象を飛躍的に向上させている。

パッケージングには、もう少し煮詰める余地があることも事実ではある。だが、昨年のハイラックス GRスポーツより確実にイイ。

トヨタ・ハイラックス GRスポーツII(英国仕様)のスペック

英国価格:4万5000ポンド(約833万円/予想)
全長:5325mm(標準ハイラックス)
全幅:1855mm(標準ハイラックス)
全高:1815mm(標準ハイラックス)
最高速度:175km/h(予想)
0-100km/h加速:10.0秒(予想)
燃費:10.3km/L(予想)
CO2排出量:249g/km
車両重量:2150kg
パワートレイン:直列4気筒2755cc ターボチャージャー
使用燃料:軽油
最高出力:203ps/3000rpm
最大トルク:50.9kg-m/1600-2800rpm
ギアボックス:6速オートマティック(四輪駆動)

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジョージ・バロウ

    George Barrow

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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