「ゴルフ」を思い出させる好印象 トヨタC-HR 2.0ハイブリッドへ英国試乗 オシたくなる走りと燃費

公開 : 2024.01.22 19:05

2代目へ一新した小さなクロスオーバー、C-HR 称賛に値するトヨタのデザイン力 ゴルフを思い出させる好印象な走り 英国編集部が仕上がりを評価

称賛に値するトヨタのデザイン力

新しいトヨタC-HRは、流行りのジャージのようにファッショナブル。見慣れた楕円の「T」ロゴが付いているものの、スタイリングは斬新で、カラーリングは鮮やか。トヨタというブランド抜きに、デザインで欲しいと感じる読者もいらっしゃるだろう。

細かな処理には、賛否両論あるかもしれない。だが、先代のC-HR以上の個性を与えることに成功したトヨタのデザイン力は、称賛に値する。少なくともプロポーションは、誰が見ても均整が取れていると感じられると思う。

トヨタC-HR 2.0ハイブリッド・プリミエール・エディション(英国仕様)
トヨタC-HR 2.0ハイブリッド・プリミエール・エディション(英国仕様)

AUTOCARでは既に2代目C-HRへ試乗しているが、今回は英国の一般道。これまでの印象通り、動的能力に優れることを確かめられた。オーナーの個性を発揮できるオプションも数多く用意され、このクラスのクロスオーバーでは有能な1台に数えられる。

全長は4360mmで、4236mmのフォルクスワーゲンTロックと、4425mmの日産キャシュカイ(旧デュアリス)の中間。だが、価格は大きい方へ合わせられており、英国仕様の2.0Lハイブリッドは、プリミエール・グレードで4万ポンド(約740万円)を超える。

エントリーグレードの1.8Lハイブリッドでも、3万4685ポンド(約642万円)から。実際、残価設定型プランの月払い金額も、英国ではキャシュカイに並ぶ。ターゲット層も、大きい側へ設定されているようだ。

ゴルフを思い出させる好印象な走り

この価格帯で比べてしまうと、C-HRはリアシート側の空間が少し狭く感じられてしまう。荷室も容量が小さく、使い勝手で勝るようには思えない。

それでも、シャシー性能はクラス・トップレベル。パッケージングを理解し、自分好みのカラーコーディネートを指定すれば、見た目以上にドライバーの気持ちを満たしてくれるはず。

トヨタC-HR 2.0ハイブリッド・プリミエール・エディション(英国仕様)
トヨタC-HR 2.0ハイブリッド・プリミエール・エディション(英国仕様)

その走りは、抜きん出ていた時代のフォルクスワーゲン・ゴルフを思い出させるほど。低い速度でも高い速度でも乗り心地は快適で、ステアリングホイールには適度な重みがあり、反応は性格。普段使いの範囲でも、運転が楽しいと思える。

ゴルフと同じく、ドライバーが本気を出しても強い興奮を誘うことはない。それでも、落ち着きを保ち、長距離を安楽に移動できる能力には唸らされる。クロスオーバーだからと、妥協するポイントはない。

近年のトヨタは、デザインが良くなった。だがそれ以上に、動的な品質も大幅に改善されたといえそうだ。

インテリアも高評価。フロント側はドライバー中心にデザインされ、適度な包まれ感がありつつ、開放的で居心地に優れる。

シートは、背中部分のサポート性が若干弱いものの、座り心地は良い。ステアリングコラムと同様に、角度などの調整域は広く、体格に適した運転姿勢も探しやすい。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マーク・ティショー

    Mark Tisshaw

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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