ルノー・メガーヌ・エステートGT
公開 : 2012.11.20 17:15 更新 : 2017.05.29 19:23
現行メガーヌにはルノースポール(以下RS)が手がけたモデルが3種類ある。ひとつはもちろん前頁にあるメガーヌ・ルノースポールだが、日本仕様のハッチバックにもある“GTライン”のサスペンションもRSチューンという。そして、このGTが3つめのRSモノのメガーヌであり、ご想像のとおり“GTライン以上、RS未満”という中間スポーツモデル。本国では全メガーヌに普通に用意されるGTだが、日本はひとまず左ハン・エステートの台数限定輸入となる。
GTラインより硬めのサスチューンに高性能タイヤ、大径ブレーキを備えるだけでなく、本国にあるディーゼルも含めてエンジンも専用になるのがGTの特徴だ。日本導入されるのは当然ガソリンのみで、RSゆずりの2.0ℓターボ(F4Rt型)の低過給圧型となる180psである。
とはいえ、GTに“準RS”という期待を抱いてはちょっとマトはずれだ。18インチサイズのダンロップ・スポーツマックスTTを履くから限界はそれなりに高いが、その高性能タイヤに対する相対的なサスチューンは意外に柔らかくて、いかにもフランス車的にロールは大きめ。背が高くロングホイールベースのエステートボディの影響もあるかもしれないが、走行中の上屋の動きはハッチバックGTラインより大きく感じるくらいだ。
180psターボもトルク特性は事務的にフラットで、6段M/TもRSと同じPK4型とは思えないほどクラッチミートポイントは手前に位置していて、シフトフィールもちょっと曖昧にゴムっぽい。つまり、エンジンもギヤボックスもRSのキレアジとはかな〜り遠い。
……と、RSと比較すると肩すかし感アリGTだが、そうではなく、これはおそらく“高級版GTライン”であり、乗り手の意識をそっちに切り替えると、これはなかなか魅力的である。高速ではフラットそのもの、ステアリングやシートから伝わる豊かなグリップ感は、昔ながらのフランスのスポーツモデルっぽい。シフトレバーを早め早めにテキトーに叩き込んでも、それなりにパワフルで速い。かつてのフランス車でこんな感じのクルマがあったな……と考えたら、思い出したのはプジョー406スポーツだった。
(文・佐野弘宗 写真・花村英典)
ルノー・メガーヌ・エステートGT
価格 | 315.0万円 |
0-100km/h | 8.8秒 |
最高速度 | 215km/h |
燃費 | 13.0km/ℓ |
CO₂排出量 | 178g/km |
車両重量 | 1420kg |
エンジン形式 | 直4DOHCターボ, 1998cc |
エンジン配置 | フロント横置き |
駆動方式 | 前輪駆動 |
最高出力 | 180ps/5500rpm |
最大トルク | 30.6kg-m/2250rpm |
馬力荷重比 | 127ps/t |
比出力 | 90.1ps/ℓ |
圧縮比 | 9.3:1 |
変速機 | 6段M/T |
全長 | 4565mm |
全幅 | 1810mm |
全高 | 1490mm |
ホイールベース | 2700mm |
燃料タンク容量 | 60ℓ |
荷室容量 | 479-1600ℓ |
サスペンション | (前)マクファーソン・ストラット |
(後)トレーリングアーム | |
ブレーキ | (前)φ296mmVディスク |
(後)φ260mmディスク | |
標準タイヤサイズ | 225/40R18 |