フォルクスワーゲン・パサート・オールトラック2.0TSI
公開 : 2012.11.20 17:55 更新 : 2017.05.29 18:58
オフロード走行モードも選べるヨンクのパサート。価格494.0万円はパサート・ヴァリアント1.4TSIハイラインと較べて98.0万円だけ高い。高いのは全高と最低地上高もで、輸入元いわく「プラス30mm」。それぞれ、1560mmと160mm。30mmのうち8mmぐらいはタイヤ外径のアップによるぶんである。2.0ℓ直噴4気筒+ターボのエンジンは「ゴルフGTIと同じ」。トランスミッションは6段DSG。1670kgの車重はヴァリアント1.4TSIハイライン比200kg増。
乗ってみる。と、パサート。着座位置がちょっと高めであることはわかる。エンジンルームや路面からのビリビリやゴツゴツの遮断は、フツーのパサートほどはカンペキでない。ご近所ノロノロ領域の速度では排気のこもりが少々。
エンジンの速さやパワートレインのドライバビリティについてはなんの問題もない。が、200kg(セダンではもっと)軽い車体を1.4ℓターボ(+7段DSG)で走らせるフツーのパサートのそれらと較べて特に感動的な違いがあるわけでもない。もちろん、がんがんトバせば相応に速いのだろうけど。なお、スタート&ストップやコースティングの制御は(まだ?)ついていない。
おもしろかったのはハンドリング方面。マジメ一徹度の高いフツーのパサートと違って、オールトラックはちょっと嬉しそうに曲がる。おそらくはリヤの踏ん張りがグッと立ち上がるタイミングのチューニングの違いだろう。あるいは、車高を上げたことによるサスペンションのアームやリンクのイニシャルの角度の違いによるものか。
ちょっと嬉しそうに曲がるのは、旧パサートCC(特に2.0ℓターボのFF)を運転して「オッ」と思ったのと近い印象。加点要素。コーナリング中にヨンクのクラッチが繋がってヨーが消えるイヤな感じ、は全然わからなかった。
ただ、少々惜しいことに、舵を入れてタイヤのケースや接地面をギューッと捩じっていく感触がオールトラックは少しよくない。パサートCCより希薄。または神経質。おそらく、タイヤのせいだと思われる。路面からのコツコツした当たりが強めなのは、距離が伸びたら気にならなくなるのではないか。少なくともマシにはなるだろう。
(文・森 慶太 写真・花村英典)
フォルクスワーゲン・パサート・オールトラック2.0TSI
価格 | 494.0万円 |
0-100km/h | 7.8秒 |
最高速度 | 212km/h |
公称燃費(JC08) | 11.6km/ℓ |
CO₂排出量 | 200g/km |
車両重量 | 1670kg |
エンジン形式 | 直4DOHCターボ, 1984cc |
エンジン配置 | フロント横置き |
駆動方式 | 4輪駆動 |
最高出力 | 211ps/5300-6200rpm |
最大トルク | 28.6kg-m/1700-5200rpm |
馬力荷重比 | 126ps/t |
比出力 | 106ps/ℓ |
圧縮比 | 9.8:1 |
変速機 | 6段DCT(DSG) |
全長 | 4785mm |
全幅 | 1820mm |
全高 | 1560mm |
ホイールベース | 2710mm |
燃料タンク容量 | 68ℓ |
荷室容量 | 588-1716ℓ |
サスペンション | (前)マクファーソン・ストラット |
(後)4リンク | |
ブレーキ | (前)φ312mmVディスク |
(後)φ282mmディスク | |
標準タイヤサイズ | 225/45R18 |