BMW640i グランクーペ

公開 : 2012.10.20 18:28  更新 : 2017.05.29 18:00

運転席に乗り込む。と、キャビンの居心地はまんまクーペ。プロパーなクーペ。“グラン”ではないほうの=2ドアの6シリーズのクーペとどこが違うのかわからない。低い着座高。

右ハンドルの運転環境は問題なし。フットレストに足を置くほうの脚の左側の空間がタイトかな、という程度。トンネルの壁。これぞと思ったポジションはすぐに出る。空間にイビツ感や局所的な窮屈感、別になし。プロパーなクーペ。

「高い!」と後席の人。ナニがというと座面が。あとで自分でも座ってみたところ、クーペで屋根が低いからお尻の場所はガボッと掘って下げて……ということをあまりやってないと判明。なので、後席も意外に見晴らしが。ほほー。

つつましいほうのエンジンを積んだサラッとライト&マイルドなバージョン、という感じは、少なくともこれだけ乗っていると別にない。ズイッと速そう。チカラありそう(実際そのとおりでした)。なにしろ車重950kg+930kg=1880kg(車検証記載値)に対して3.0ℓ。日本仕様VWシャランより50kg重たくて、エンジン排気量は2倍強。バルブトロニック+直噴の直列6気筒に“ツインパワー”すなわちツインスクロールのターボ×1。640iだからV8ターボか、と思ったのはナイショ。4.4ℓV8ツインターボの650iはまだカミングスーン。ZFの8段A/T、文句なし。

わかっちゃいたけどビックリその1はクルッと小回り。ハンドルの手応えよりも後ろの動きでそれとわかる。4WSとなったアクティブステアリング、日本仕様では標準装備。「小回り性能の高さを……」とインポーターの人。後輪操舵が逆相から同相に変わるのは「60km/h」。もちろん、そこを境にパキッとなんていう乱暴な制御プログラムのはずはない。「逆相からトー角ゼロの状態へ戻すときの揺り返しみたいなのが気になりますね」とは助手席の人。オッと思ったのはその制御。常用モードの“コンフォート”から一段カタめの“スポーツ”へスイッチすると、特殊なクルッとぶりが穏やかに。でも、できたら4WSキャンセルのモードも……。ていうか、乗り心地!! これ、ホントにランフラット? 装着タイヤはプライマシーHPのZP。ほー。

(文・森 慶太 写真・花村英典)

BMW640i グランクーペ

価格 986.0万円
0-100km/h 250km/h(リミッター)
最高速度 5.4秒
燃費 13.0km/ℓ
CO₂排出量 179g/km
車両重量 1860kg
エンジン形式 直6DOHCターボ, 2979cc
エンジン配置 フロント縦置き
駆動方式 後輪駆動
最高出力 320ps/5800rpm
最大トルク 45.9kg-m/1300-4500rpm
馬力荷重比 172ps/t
比出力 107ps/ℓ
圧縮比 10.2:1
変速機 8段A/T
全長 5010mm
全幅 1895mm
全高 1390mm
ホイールベース 2970mm
燃料タンク容量 70ℓ
荷室容量 460-1265ℓ
サスペンション (前)ダブルウィッシュボーン
(後)マルチリンク
ブレーキ (前)φ348mm Vディスク
(後)φ345mm Vディスク
タイヤ 245/45R18

おすすめ記事

 
最新試乗記

人気記事