E39型「M5」と同じV8エンジン BMW Z8 美しいハンドメイド・ボディ UK中古車ガイド 

公開 : 2024.01.25 19:05

新車時代のAUTOCARの評価は

アストン マーティンポルシェを諦めて、Z8を選ぼうという気にさせる。だが、美しい姿だけではない。

一部の荒れた路面では、驚くほど強固なアルミニウム製モノコック構造が、印象的なまでに洗練された乗り心地を披露。コーナーの途中に凹凸があっても、ラインを乱すことはない。(2000年3月1日)

BMW Z8(2000〜2003年/欧州仕様)
BMW Z8(2000〜2003年/欧州仕様)

専門家の意見を聞いてみる

ポール・マイケルズ氏:ヘキサゴン・クラシックス社

「BMWのディーラーを45年ほど経営しているので、Z8のことは1999年以来良く知っています。ロールス・ロイスを製造し始めるまで、BMWにとって初となるハンドメイド・モデルでした。その品質は、本当に素晴らしいですよ」

BMW Z8(2000〜2003年/欧州仕様)
BMW Z8(2000〜2003年/欧州仕様)

「サスペンションは、通常のラジアルタイヤを前提に開発されましたが、発売時にランフラットへ変更されています。ラジアルタイヤへ組み替え、フロント・ストラットブレースとショートシフターを組むと、運転体験が見違えます」

「Z8の多くはシルバーに塗られたので、ジェット・ブラックは珍しいですね。弊社では、走行距離3万7600kmの車両を、19万9995ポンド(約3719万円)で販売中です」

購入時に気をつけたいポイント

ボディ

アルミニウム製ボディは、完璧である必要がある。今後の価値を考えれば、一切の事故を避けたいところ。トノカバーのプラスティック製部品の割れや、リアスクリーンとソフトトップの状態をしっかり観察する

エンジン

ホースやソケット類など、ゴムやプラスティック製部品の状態を確認する。バノスと呼ばれる可変バルブタイミング・システムは、不調を起こす場合がある。パワー不足や回転の乱れ、ガソリン消費量の増加などの症状が現れる。

BMW Z8(2000〜2003年/欧州仕様)
BMW Z8(2000〜2003年/欧州仕様)

状態の良いエンジンは、僅か500rpmから6速で加速できる。そのまま、7000rpmまで引っ張れるはずだ。

トランスミッション

シフトレバーは重め。クイックな変速をお望みなら、ショートシフターを組むと良いだろう。クラッチペダルは軽い。クラッチは滑りがないか確かめたい。早い場合は、5万km程度で交換が必要になる。

サスペンションとブレーキ、タイヤ

フロントのサスペンション・ストラットの状態を確かめる。硬いランフラットタイヤを履いていると、強い衝撃で変形してしまう場合がある。アライメントが狂うことも。

ブレーキフルードは、2年に1度の交換が必須。タイヤの状態と、ホイールの腐食やガリキズも観察したい。

インテリアと電気系統

DSCにEBD、ABS、CBCといった警告灯が、走行中に消えているか確認する。内装はレザーの破れ、ダッシュボードの傷みなどを確認する。グローブボックスの蓋の開閉具合や、カーペットの不自然なシミなども要チェック。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジョン・エバンス

    John Evans

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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