アウディA4 2.0TFSI
公開 : 2012.07.20 18:48 更新 : 2017.05.29 18:18
プレミアムDセグメントのクルマは、モデルチェンジのたびにタッチが軽くなっていっている。ステアリングの手応えもペダルの足応えも、足まわりの動き方もそれを受け止めるボディの様子も、ひとつ前のモデルにあったいわば粘性を感じさせる反力が、新しいモデルでは希薄になるというか、のれんに腕押しな感じになる。
より軽く作れるようになったため、実際に動作が軽くなっているのが理由のひとつとして考えられる。あるいは精度が上がり、抵抗が少なくなっているのかもしれない。対象の剛性が上がり、ねじれや曲がりで逃げていた力がきちんと作用するようになった線もある。このA4の操作感や身のこなしにもそんな軽さ感があるのだが、この場合はきっと、意図的なセッティングだろう。
最初はその軽さ感が気にかかる。クワトロからいろいろと取り外していった結果として軽くなったのか? と邪推してしまう。けれど、近所をひとまわりして戻ってくる頃には、軽くても情報が濾されているわけではないのだとわかり始める。情報の起伏が圧縮されているだけで、きちんと存在しているのだ。それがわかると乗っていてがぜんいいクルマに思えてくる。同じ情報が得られ、それに同じく対応できて同じ動きを作れるなら、操作は軽いほうが疲れない。
それはペースを上げるとよくわかる。何しろとにかく軽く素早く足が動くのだが、そこにはちゃんと必要なだけのダンピングがある。だからかなり気持ちよくペースを上げられるし、なんといっても不安なく速い。クワトロに比べると低い速度で電子制御が介入してくるが、それはタイヤのスペックの差からくるものだろう。
このモデルではCVTを気にする人もいるだろう。僕もそのひとりだが、これは悪くない。アクセルを踏み込んだとき、そう簡単にはだらしなく拘束を緩めてパワーを回転で出そうとはしない。締結感のある、トルク感を伴った加速をしてくれる。特有のノイズもかなり抑えられている。
そもそもアウディは、同クラスのメルセデスやBMWより軽く感じられる。それをよしとして選択するのだとすれば、このモデルこそがじつはいちばんアウディらしいA4かもしれない。
アウディA4 2.0TFSI
価格 | 440.0万円 |
0-100km/h | 226km/h |
最高速度 | 8.2秒 |
公称燃費(JC08) | 13.8km/ℓ |
CO₂排出量 | 168g/km |
車両重量 | 1540kg |
エンジン形式 | 直4DOHCターボ, 1984cc |
エンジン配置 | フロント縦置き |
駆動方式 | 前輪駆動 |
最高出力 | 180ps/4000-6000rpm |
最大トルク | 32.6kg-m/1500-3900rpm |
馬力荷重比 | 117ps/t |
比出力 | 90.7ps/ℓ |
圧縮比 | 9.8:1 |
変速機 | CVT(マルチトロニック) |
全長 | 4720mm |
全幅 | 1825mm |
全高 | 1440mm |
ホイールベース | 2810mm |
燃料タンク容量 | 60ℓ |
荷室容量 | 480-962ℓ |
サスペンション | (前)5リンク |
(後)トラペゾイダル | |
ブレーキ | (前)Vディスク |
(後)ディスク | |
タイヤ | 225/50R17 |