EV、どう考える 英国ではメリット多数? 充電コスト、ハイブリッド車は
公開 : 2024.01.27 18:05
どのような充電器が使えるか?
コネクターの種類は交流(AC)と直流(DC)に分けられる。低速のACコネクターには、英国で標準的な3ピンプラグやタイプ1、タイプ2のコネクターがあり、高速のDCコネクターにはCCSやテスラ独自のスーパーチャージャーがある。
原則として、BMW、アウディ、メルセデス・ベンツなど欧州の自動車メーカーのEVは、低速のタイプ2充電器と急速充電用のCCSコネクターを使用し、ヒョンデやキアといったアジアのメーカーは、タイプ1とチャデモ(CHAdeMO)を使用する。チャデモは少し古い車種に多く、英国では最近あまり使われていない。
150kWの急速充電器で一般的なEVを充電する場合、空の状態から満充電まで約30分かかる。一部の350kWの充電器は、10分で160km分を充電できるものもある。
ベーシックな7kWの公共充電器を使用した場合、満充電まで約8時間、22kWの充電器を使用した場合は約3時間かかる。
充電料金はいくらかかる?
利用する設備にもよるが、英国ではガソリンや軽油を入れるよりも充電した方が安くなることがある。
ガソリンや軽油の場合、普通のファミリーカーで1マイル(1.6km)あたり19~21ペンス(約35~39円)かかると予想されるが、夜間に自宅で充電する場合、1マイルあたり3ペンス(約5円)で済む。
スタンダードな公共充電器では、1マイルあたり14ペンス(約26円)、満充電でおよそ26ポンド(約4900円)となる。急速充電器は通常1マイルあたり18ペンス(約34円)、満充電で33ポンド(約6200円)である。
英国でよく知られるグリッドサーブ社は、79ペンス/kWhのDC急速充電器と49ペンス/kWhのAC充電器を展開している。
EVは安く買えるのか?
中古車市場で安価なEVを手に入れることができ、今後も車種の多様性は広がっていくだろう。例えば、SMMTは英国における中古EVの販売台数は「この1年で倍増した」と言う。
本稿執筆時点で、英国で最も安い中古EVは、第一世代の日産リーフとルノー・ゾエであり、それぞれ6万~8万km走行した個体で約5000~7000ポンド(約95万~130万円)から購入できる。
ルノー・ゾエは新車時、バッテリーのリースプランと8年間または10万マイル保証が付いていたので、保証期間内であればそれもついてくる。
リースでは購入後の経済的メリットも小さくない。日産リーフ、プジョーe-208、ヴォグゾール・コルサ・エレクトリックの初期レンタル料は500ポンド(約9万5000円)以下で、月々の支払いは300ポンド(約5万5000円)以下が期待できる。
社用車(カンパニーカー)として導入する場合、EVの現物給付税(BIK)率は、同クラスの内燃エンジン車よりもはるかに低く設定されている。例えば、本稿執筆時点では、EVのBMW i4 eドライブ40 Mスポーツが2%であるのに対し、ディーゼルの320dは30%である。
このような制度は各国に存在し、EVの普及を支えているが、恒久的なものではない。補助金や減税措置が廃止されると、販売が大きく減速してしまうという懸念もある。