一見「無意味」なビーチバギーをリメイク 新生メイヤーズ・マンクスへ試乗 EV版も開発中

公開 : 2024.01.30 19:05

一見無意味でも乗っただけで幸せ

空冷のフラット4エンジンは、700kg程度のビーチバギーを苦もなく運ぶ。ステアリングの感触は軽いが、安心感がある。キットカーとは思えないほど、ペダル操作に対するレスポンスは鋭い。

カリフォルニアの潮風に髪をなびかせる。少しスピードを出せば、エンジン音は聞こえなくなる。エアバッグやラジオだけでなく、パワーステアリングもないが、帰りの空港で思い出し、ニヤけてしまったほど面白い。

メイヤーズ・マンクス(北米仕様)
メイヤーズ・マンクス(北米仕様)

ポティカーやトーマスのような人物によって、メイヤーズ・マンクス社が引き継がれたことへ、深い感謝の気持ちが湧いてくる。本来の特長を高く評価し、移り変わる時代に適応させながら、次の世代へ残そうと尽力してくれている。

バッテリーEVの時代にも、こんなクルマが人間には必要だと思う。一見無意味かもしれないが、乗れば幸せな気分にしてくれるのだから。

ちなみに、メイヤーズ・マンクス 2.0EVは発表と同時に話題となり、今後2年間の生産分は既に埋まったという。2000名以上の希望者から、入金があったそうだ。

撮影:アダム・ワーナー

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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