ヒュンダイi20 1.4SE
公開 : 2014.11.21 23:40 更新 : 2021.03.05 21:39
■どんなクルマ?
ヒュンダイi20をひとことで説明するならば ’無名のヒーロー’ というのがもっとも適切かもしれない。初代i10こそ既に過去のモノになりつつあるが、i30はヒュンダイが世界に名を知らしめるきっかけとなったクルマであった。しかしi20にいたっては、2008年にかなりの台数が売れたにも関わらず、やや影が薄くなりつつあったのだ。つい最近までは……。
ここ最近何が起こったかをご存じない方々に説明すると、実はヒュンダイ、小型ハッチバック・クラスに再び襲撃をかけてきたのである。フォード・フィエスタが長きにわたり縄張りを死守していたのだが、フォードだけでなくスコダ・ファビアや、最近勢いが増してきたヴォグゾール・コルサ、フォルクスワーゲン・ポロの立場さえ揺るがしてしまうようなモデルを投入してきたのだ。
2機のガソリンと2機のディーゼル・エンジンを携えての殴り込みである。これらに続くかたちで来年には3気筒ターボまで仲間入りする予定で、かのライバル達を一気にやっつけようというわけだ。
■どんな感じ?
諸元を見るかぎりi20は前途有望に感じる。車重は1トンをわずかに超えるだけに留まるし、心臓部分となる1.4ℓ ’カッパ’ ガソリン・ユニットは、多くのほかのライバルと異なりターボチャージャーを組み合わせていないにもかかわらず、100psを発生するという。ならば街中で重宝されないわけがない、とさえ思えてくるからだ。
エンジンをかけ、アイドリング中の音に耳をすませても、キャビンに音が介入してこないあたりも、ヒュンダイの意気込みが感じられる。長く低いボディは先代よりもさらにワイドになり、それゆえに華奢なスーパーミニというよりも、ひとつ上のクラスと言われても信じてしまうほどだ。
標準でついてくる6速のギアボックスの操作感は先代よりなめらかになっているし、新設計のマルチ-コーン・シンクロ・リングのおかげで1、2速は精度が高い印象。1速に入れようと思っているのに3速に入れてしまうといったこともあるにはあるが、総じて悪い印象はない。