メルセデスAMG GT 63 S Eパフォーマンス GT 4ドアクーペにもトップパフォーマンスモデル追加
公開 : 2024.01.28 11:45
気になるバッテリー関連はどんな感じ?
AMG 高性能バッテリー
AMGハイパフォーマンスバッテリー(HPB)の開発は、メルセデスAMGペトロナスF1チームが使用しているF1ハイブリッドレーシングマシンの、きわめて苛酷な条件下で実証済みの先進テクノロジーを元に進められたという。
AMG高性能バッテリーは、高出力を頻繁に繰り返し発生できる能力と軽量構造を兼ね備えることで、クルマの総合的なパフォーマンスを高める。
さらに、充電速度が速いことと出力密度が高いことも特長で、これによって、アップダウンのあるワインディングを高速走行する場面などでは、上りでただちに100%のパワーを引き出すことができる一方、下りでは強力な回生ブレーキが実現できると語る。
定格出力70kW/最高出力150kW
GT 63 S Eパフォーマンスに搭載されるハイパフォーマンスバッテリー容量は6.1kWhで、定格出力70kW/最高出力150kW(10秒間)を発揮するという。また、89kgと軽量であることから、出力密度は1.7kW/kgと高い値となると話す。
このバッテリーは、航続距離を最大化することより、速やかな放電と充電を行えることを重点に設計されたものだが、EV走行可能距離も12kmと実用的なレベルを確保しており、例えば深夜や早朝の住宅地などでは静かに排出ガスを出さずに走行することができ可能だ。
バッテリーセルを直接冷却
このAMG 400Vバッテリーが高性能を実現する土台となっているのが、革新的な直接冷却方式だという。非導電性の液体をベースとする高度な冷却液を循環させて、560個のセルすべてを個別に直接冷却する方式を初めて採用し常に最適な作動温度に保つと語る。
直接冷却方式を採用するために、厚さわずか数ミリという新しい薄型冷却モジュールを開発し、約14Lの冷却液を高性能電動ポンプでバッテリーの上から下まで全体に循環させて各セルを冷却するとともに、バッテリーに直接取り付けられた油水熱交換器内も通過する。
こうして熱は車載の2つの低温(LT)回路の一方に伝えられ、そこからまた車両のフロントにあるLTラジエターに伝わって、そこで外気中へ放出され、これはバッテリー内の熱分布を均一に保つように考えられたシステムだと述べた。
その結果、バッテリー温度は充放電の頻度に関係なく、平均45℃という最適な動作温度範囲内に常に保たれ、高速走行時などバッテリーが高温となる過負荷時には、直接冷却によって温度を下げる保護メカニズムが設けられる。
AMGハイパフォーマンスバッテリーはサーキットでハイブリッドモードによる高速走行を行うなど、加速(バッテリーが放電する)と減速(バッテリーが充電される)が頻繁に発生する場合でも優れた性能を維持するという。
出力密度がきわめて高いセルの使用は、有効な直接冷却があって初めて可能になり、セルを個別に冷却する直接冷却方式により、バッテリーシステムはきわめて小型軽量なものとなったうえ、さらに軽量かつ強固な衝突構造を備えるアルミニウム製ハウジングを採用したことも、軽量化が実現できた要因のひとつであり、この衝撃吸収構造により最高水準の安全性が確保されたと付け加えた。