バイパーのV10で320km/h超 無名のスーパーカー ブリストル・ファイター UK中古車ガイド

公開 : 2024.01.31 19:05

新車時代のAUTOCARの評価は

エンジンを始動すれば、10気筒の強烈な重低音が充満する。動力性能は見事のひとこと。操縦性は落ち着いており、不安感は小さい。コーナーを攻め込んでも乱れにくく、長いホイールベースが不意のテールアウトを抑えている。

飛行機メーカーを起源とするブリストルは、現代的なクルマを生み出すことに成功した。周囲とは異なるモデルを求める人を惹き付けるのに充分な、個性と能力を備えている。(2005年5月24日)

ブリストル・ファイター(2004〜2011年/英国仕様)
ブリストル・ファイター(2004〜2011年/英国仕様)

専門家の意見を聞いてみる

リチャード・ハケット氏:SLJハケット社

「子どもの頃、父がブリストルに乗っていました。それが、このブランドとの付き合いの始まりですね。ブリストル・カーズでは、20年以上勤務してきました」

ブリストル・ファイター(2004〜2011年/英国仕様)
ブリストル・ファイター(2004〜2011年/英国仕様)

「ファイターは突出したクルマです。驚くほど速いのに、扱いやすく、作りも上質です。時代が進むほど、スタイリングは美しく感じるようになってきたと思います」

「信頼性が高いことは、うれしい事実。多くの部品が、まだ入手可能という点も同様でしょう。取引価格は、上昇しつつあるようです」

購入時に気をつけたいポイント

ボディとシャシー

マフラーは、サイドシルを通って後方へ導かれている。目立ったスポイラーは存在せず、最低地上高は高め。フロントのバルクヘッドとフロントガラス・フレームなどが一体になった、スチール製ボックスセクション・フレームでシャシーは構成される。

フロアにはハニカム素材が用いられ、ドアとリアハッチはカーボンファイバー製。ルーフとボンネットはアルミニウム製だ。負荷のかかるサスペンションには、スチールが用いられている。荷室は広く、フルサイズのスペアタイヤも載る。

エンジン

ブリストル・ファイター(2004〜2011年/英国仕様)
ブリストル・ファイター(2004〜2011年/英国仕様)

フロント・ミドシップのV10エンジンは、ダッジバイパーのユニットをブリストルがチューニングしたもので、信頼性は高い。最高出力532psがうたわれるが、高速走行時はラムエア効果で、25psほど向上する。

メンテナンスしやすいよう配慮され、点火プラグやスターターモーターの交換は簡単。スペアパーツの供給にも滞りはないという。

トランスミッション

ファイターは、バイパー譲りの6速MTか、4速ATを選択できた。だが、ATを載せた例は1台しか作られていない。目立った弱点はないとか。ギア比が高いおかげで、110km/hを1500rpmでこなせる。

ステアリング

フロントタイヤの切れ角が大きく、ロンドンタクシー並みに小回りが利く。ワイドなフロントタイヤにも関わらず。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マーク・ピアソン

    Mark Pearson

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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