スマホ感覚でクルマを保有する時代に? 「クルマのサブスク」浸透せずとも徐々に拡大 #令和のカネ

公開 : 2024.01.27 10:00

おカネをクリアに 20代若者の支持獲得

では、そうした「クルマのサブスク」を利用しているユーザーは、どのような方なのでしょうか? これもホンダファイナンスの山田氏に聞いてみました。

「利用者は女性が多いという傾向があります。年齢層でいうと若め。20代を比較的多く取り込めている商品ですね。さらに独身の方が多く、クルマへの関心の低い方が選ばれているような傾向があります」と山田氏。

昨年末に発売されたばかりのレクサスLBXも、トヨタのサブスクサービス「KINTO」に登場している。
昨年末に発売されたばかりのレクサスLBXも、トヨタのサブスクサービス「KINTO」に登場している。    レクサス

こうしたユーザー属性を見て、ホンダファイナンスとしては、将来を担う若い世代をターゲットとして獲得するため、サブスクは大きな武器になると感じているようです。

では、女性で若く、そして独身、クルマの関心が低い方は、なぜ「クルマのサブスク」を利用しているのでしょうか?

「ユーザーへの調査によると、一番、受けているポイントが、『メンテナンスや税金などの費用が支配額に含まれていること』『毎月決まった金額を払う仕組み』です」と山田氏。

サブスクであれば、クルマの購入・維持にまつわる複雑さが解消されます。特に、この部分が「女性で若く、そして独身、クルマの関心が低い方」の心に響いているのでしょう。

「それ以外にも、『楽まる』は、途中解約ペナルティーをなくし、最終回の免責を優遇しています。それに定額料金に含まれるメンテナンスや消耗品の費用も、(サブスクではなく)その都度交換するより割安になっています。コスパとタイパの観点で受け入れられていると見ています」と山田氏。

割安感は他メーカーのサブスクからも感じられます。たとえばトヨタや日産のサブスクでは、自動車保険(任意保険)を最初から定額料金に組み込まれています。こちらも「女性で若く、そして独身、クルマの関心が低い方」に有利な内容です。自動車保険(任意保険)は、経験の浅い若い人ほど、割高になります。それが最初から組み込まれていれば、別途に自動車保険に加入するよりも割安になるのです。

見えにくい維持費の総額を明朗会計するのが「クルマのサブスク」の最大の魅力。しかも、お得というのは嬉しいもの。CMが少なくても、人気が高いのも納得です。

※この記事は、AUTOCAR JAPANとYahoo!ニュースの共同連携企画です。

記事に関わった人々

  • 執筆

    鈴木ケンイチ

    Kenichi Suzuki

    1966年生まれ。中学時代は自転車、学生時代はオートバイにのめり込み、アルバイトはバイク便。一般誌/音楽誌でライターになった後も、やはり乗り物好きの本性は変わらず、気づけば自動車関連の仕事が中心に。30代はサーキット走行にのめり込み、ワンメイクレースにも参戦。愛車はマツダ・ロードスター。今の趣味はロードバイクと楽器演奏(ベース)。
  • 編集

    香野早汰

    Hayata Kono

    1997年東京生まれ。母が仕事の往復で運転するクルマの助手席で幼少期のほとんどを過ごす。クルマ選びの決め手は速さや音よりも造形と乗り心地。それゆえ同世代の理解者に恵まれないのが悩み。2023年、クルマにまつわる仕事を探すも見つからず。思いもしない偶然が重なりAUTOCAR編集部に出会う。翌日に笹本編集長の面接。「明日から来なさい」「え!」。若さと積極性を武器に、日々勉強中。

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