英アストン 「歴代最速」新型スポーツカー発表へ 過激なV8クーペ登場か

公開 : 2024.01.29 18:25

・アストン マーティンは新型ヴァンテージを2月12日に発表予定。
・歴代で「最も速く、最も爽快」とされる2ドアのスポーツカー。
・アグレッシブなデザイン、改良型V8エンジンで「独自性」強調か。

歴代最速 新型ヴァンテージ

英国の自動車メーカーであるアストン マーティンは、スポーツカーの新型ヴァンテージを2月12日に発表する予定だ。歴代で「最も速く、最も爽快」なモデルになるという。

予告画像も初めて公開され、大きく張り出したリアフェンダーや新デザインのサイドエアダクトなどが確認できる。

新型ヴァンテージの予告画像
新型ヴァンテージの予告画像    アストン マーティン

アストン マーティンは今年、数多くの新型車発表を控えている。2024年型のF1マシンやヴァンテージGT3の最新バージョン、DBSの後継車、コンバーチブルのDB12ヴォランテ、ミドエンジン・スーパーカーのヴァルハラ、SUVのDBXの改良新型などである。

クーペ仕様のヴァンテージに続いて、コンバーチブル仕様のヴァンテージ・ヴォランテも登場することは間違いない。

アストン マーティンは新型ヴァンテージについて、「純粋なドライビングを渇望し、限界に挑む喜びを味わう人々のためのもの」と表現している。

過激デザインで「独自性」強調

同社のCCO(チーフ・クリエイティブ・オフィサー)であるマレク・ライヒマン氏が取材で語ったところによると、新型ヴァンテージは「完全なフーリガン」のようなスタイリングとなり、スポーティ性を強調するという。

デザインだけでなく、走行性能も大幅にアップグレードされるようだ。DBX 707がヴァンテージを凌駕する性能を発揮し、またDB12がDB11から進化してハンドリングが改善されたこともあり、新型の開発にあたっては「とにかくスポーティさを追求する」としている。

新型はこれまでよりもアグレッシブなスタイルを採用するという。(編集部作成予想イメージCG)
新型はこれまでよりもアグレッシブなスタイルを採用するという。(編集部作成予想イメージCG)    AUTOCAR

ライヒマン氏は「巨大なパフォーマンスを持つDB12と、それに似た感覚を持つDBXから分離させます。完全に違うものでなければなりません」とし、またDBSの後継車については「両者とはまったく異なる」ものになると語った。

製品およびマーケット戦略責任者のアレックス・ロング氏は、「スポーツカーとGTの幅がより広がり、一方ともう一方が離れていることがおわかりいただけるでしょう」と述べ、各モデルのキャラクターの違いを明確化する姿勢を示した。

ライヒマン氏によると、F1チームのリソースをフル活用することにより、スタイリングは現行型から進化するとした。以前、ドイツのニュルブルクリンクでプロトタイプによるテスト走行が行われた際、小型化したグリルや、滑らかになったフロントエンドの造形などが確認された。リアエンドではスプリッターが改良され、リアフェンダーのエアダクトと4本出しマフラーを備えている。

足回りのセッティングとしては、V12ヴァンテージを踏襲し、安定感と俊敏性を向上させることが期待される。しかし、エンジンが今より小型化されることはなさそうだ。メルセデスAMG製の6気筒はヴァンテージには向かないだろう、とロング氏は言う。なぜなら、ヴァンテージが持つエモーショナルな魅力は「音」によるところが非常に大きいからだ。「わたし達は移動手段を作るのではありません。夢を描くのです」

そのため、最高出力510psの現行型4.0L V8エンジンを改良したものが採用されると見られている。同エンジンを使用するメルセデスAMG SL 63は、最高出力585psを発生していることから、ヴァンテージのポテンシャルにも期待が持てる。

価格は未公表だが、アストン マーティンが収益性の高い高級ブランド化を進めていることから、大きく上昇すると考えられる。参考までに、現行型ヴァンテージの英国価格は13万3920ポンド(約2500万円)から。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マーク・ティショー

    Mark Tisshaw

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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