磨き上げたパフォーマンスに安心感を添えて マクラーレン750Sの実力チェック

公開 : 2024.01.30 17:05

磨き上げられたのは速さ、気持ちよさ、そして安心感

ピットの建屋からコースに向けて走り出す。今回は先導車付きの4ラップの走行とプロドライバーが運転する助手席に乗せてもらう試乗プログラムとなる。

1周目はタイヤを温めるために少しずつペースを上げていったが、走り出しから実に滑らかに路面に追従して走る心地よさが得られる。720でも定評があった油圧パワステはさらなる改良が行われたというが、750Sのものはクルマに急かされることなくナチュラルな操舵感を与えてくれるあたりもいい。

マクラーレン750S
マクラーレン750S    マクラーレン・オートモーティブ

MAGARIGAWAのコースレイアウトはアップダウンが激しく、クルマにとって厳しいコースレイアウトといえるが、アクセル、ブレーキ、旋回という一連の操作が意のままに決まる。

さらにペースアップしていくと、V8 5Lツインターボエンジンとエキゾーストがメカニカルな中にシャープでクリアな音色を奏で、特別なモデルを操っている高揚感を与えてくれる。進化したプロアクティブ・シャシー・コントロール(PCC3)はじつに緻密な車体制御を行うもので、空力性能もあいまって、タイヤが路面に吸い付くような走りを披露する。

後輪駆動でありながら、750ps、81.6kg-mという圧倒的なパフォーマンスを着実に手中に収めているコントロール性は安心感をもたらしてくれた。

驚かされたのはブレーキング時の安定感。ハイスピードな領域からのストッピングはもちろん、連続するカーブでブレーキをリリースした時の車体のコントロール性も抜群だった。

クルマと一体感を得て走る気持ち良さと安心感はかつての720Sを超え、さらなる高みに到達していた。

試乗車のスペック

価格:3930万円(税込 オプションなし)
全長×全幅×全高:4569×1930×1196mm
最高速度:332km/h
0-100km/h加速:2.8秒
燃料消費率:12.2L/100km
CO2排出量:276g/km
車両重量:1277kg
パワートレイン:V型8気筒3994cc
使用燃料:ガソリン
最高出力:750ps/7500rpm
最大トルク:81.58kg-m/5500rpm
ギアボックス:7速オートマティック
タイヤサイズ:245/35R19(フロント)305/30R20(リア)

マクラーレン750S
マクラーレン750S    マクラーレン・オートモーティブ

記事に関わった人々

  • 執筆

    藤島知子

    Tomoko Fujishima

    クルマ関連情報を走り好き目線と女性視点を交えながら紹介。テレビ神奈川の新車情報番組「クルマでいこう!」ではお茶の間の幅広い世代に向けて魅力を発信中。2002年よりモータースポーツに参戦、2021年はKYOJO-CUPやスーパー耐久でドライバーとして奮闘。日本自動車ジャーナリスト協会会員。2021-2022日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
  • 編集

    香野早汰

    Hayata Kono

    1997年東京生まれ。母が仕事の往復で運転するクルマの助手席で幼少期のほとんどを過ごす。クルマ選びの決め手は速さや音よりも造形と乗り心地。それゆえ同世代の理解者に恵まれないのが悩み。2023年、クルマにまつわる仕事を探すも見つからず。思いもしない偶然が重なりAUTOCAR編集部に出会う。翌日に笹本編集長の面接。「明日から来なさい」「え!」。若さと積極性を武器に、日々勉強中。

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