フォルクスワーゲンを「ナイスガイ」にしたい 次世代EVの目指すもの

公開 : 2024.01.31 06:05

退屈なものを作らないためには

――EV時代のGTIは最近のコンセプトで見ましたが、Rはどうですか?

「Rは歴史ある四輪駆動車で、特定の技術的要素が必要です。一部のセグメントでは、4WDと最高のエンジンを必要とするため不可能です。GTIはより小型のモデルです。GTIとRはお客様が異なります」

フォルクスワーゲン・ゴルフGTI
フォルクスワーゲン・ゴルフGTI

「GTXもありましたが、GTIには人々を興奮させるスピリットがあります。GTIはジーンズにトレーナーであり、便利でスマートであり、ボーイレーサーではありません。Rはスーツです。第6世代や第7世代のGTIで、白地に赤のステッカーを貼っているのを見かけますが、わたしは大好きです」

――フォルクスワーゲンの車種に、もっと専門的なモデルがあってもいいのでは?

「もちろん。しかし、わたし達は下調べをして、重要なセグメントをすべてカバーし、本当に良いものを作らなければなりません。それが今の第一の目標です。でも、スカンクワークス(本来の業務ではない、従業員の自主的な活動)もたくさんありますよ」

「アイデアを発展させた結果、退屈なリムジンになってしまうことがよくあります。1週間かけてランボルギーニをデザインし、それをフォルクスワーゲンにして検証することもあります」

「時にはこうしたことも必要です。役割を変えて新しいものを見つけていかないと、チーム全体に動きがなくなり、どれも同じ結果になってしまう。創造性の訓練のようなものが必要です。わたし自身も、日々の仕事で良い結果を出すためには必要なことなんです」

記事に関わった人々

  • 執筆

    マーク・ティショー

    Mark Tisshaw

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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