text:Kazuhide Ueno(上野和秀) photo:アルペン・クラシックカー・
ラリー 大会事務局
ヒストリックカーのための本格的なターマック・ラリーがアルペン・クラシックカー・ラリーだ。ヨーロッパのヒストリックカー・ラリーと同様に、ペースノートを使って本気で走らせることを趣旨とする。このラリーのプランニングには、WRCを始め世界のラリーで活躍を続けるラリー・ドライバーである新井敏弘氏が大会会長を務め、ラリーの内容に関してもプロデュースしているだけに、あくまでも世界基準で行われるのが特徴だ。
第3回目となる今回も2泊3日の行程で行われ、28台が参加した。例年通りアークヒルズのカラヤン広場をスタート/フィニッシュとし、群馬県の嬬恋エリアに設けられたさまざまな特設スペシャル・ステージでタイムを競う構成とされた。
1日目はアークヒルズをスタート後に、群馬サイクルスポーツセンターまで移動し、足慣らしともいえるレッキ走行を行ったのち、ここで3本のタイムトライアルに挑んだ。2日目はこのラリーのメインとなる日で、タイトな林道からオープンロードに7つのSSが設けられ、激しいアタックを行っていた。あくまでも全力で走るためのラリーだけに、走る姿は往年のWRCを見ている気にさせられる。また一部のSSには観戦エリアが設けられ、本気のアタックをギャラリーに披露した。
3日目はギャラリー・ポイントがあるスーパーSSをアタックしたのち、リエゾンランでゴールとなるアークヒルズを目指した。フィニッシュとなったアークヒルズに無事帰り着いたエントラントは、続いて表彰式が行われ、3日間にわたる闘いの結果が発表され、その栄光を称えた。
スタート/フィニッシュは、今回も雰囲気のあるアークヒルズのカラヤン広場に設けられた。
カラヤン広場には多数のギャラリーが集まり、往年の名優たちを見学し、スタートを見送っていた。
スタート・フラッグが振り下ろされスタートする猪田/荻原組のポルシェ356Bロードスター。
群馬サイクルスポーツセンターの走行前には新井選手によるドラーバーズ・ブリーフィングが行われた。
スペシャル・ステージのスタートを待つ参加車たち。VWビートルは本格的に手が加えられている。
参加車は往年のラリーを闘った車両が集まった。先頭は森田/新井組のポルシェ911カレラRS。
ラリーを語る上で欠かせない役者であるランチア・フルヴィア・ラリー1.6HFも参加した。
サファリ・ラリーなどのタフネスさを必要とするラリーで活躍したボルボ123GTも姿を見せた。
ラリー・シーンに不可欠なアルピーヌ・ルノーA110は2台が参加した。
今回アルファ・ロメオ・ジュリアGTAは3台が集まり、どれもらしいモディファイが施されていた。
日本では余り知られていないが、BMW2002もラリーに挑んでいた。
ヨーロッパでのラリーを思わせるコースを駆け抜けるルノーR8ゴルディーニを駆るのは新井選手。
スピードウェルカーを彷彿させるフィッシュが魅力の河合/越浦組のオースチン・ヒーレー・スプライト。
全力でスペシャル・ステージにアタックするのは角/高橋組のポルシェ911。
11月半ばだけに5時を過ぎるとコースを闇が包み始め、ナイトステージの様相となった。
スペシャル・ステージにアタックする植木/中村組のポルシェ914/6。
最終日のドライバーズ・ブリーフィングは、小雪が舞う中で行われた。
タイトなコースを駆け上がる藤田/野崎組のアルファ・ロメオ・ジュリア・スプリントGTA。
BMCミニクーパーSは2台が参加。どちらも当時の装備を再現した拘りのモディファイが施されていた。
モーター・ジャーナリストの吉田 匠氏がドライブするポルシェ356B。
3日間のアタックを終え、カラヤン広場に戻った参加者一同で記念撮影。お疲れ様でした。