魅力くっきり、フラッグシップミニバンここにあり ホンダ・オデッセイが帰ってきた

公開 : 2024.02.01 07:35  更新 : 2024.02.01 14:45

・昨年12月に発売されたオデッセイに試乗
・内外装やインフォテインメント系をブラッシュアップ、ハイブリッド1本で勝負
・やはり真髄は走行性能、ファンも満足できる1台に

おかえりなさい、待っていました!

ホンダのミニバンである「オデッセイ」が帰ってきた。

2023年12月8日より「オデッセイ」の販売が再開した。新型ではなく、「再び」販売が開始されたのだ。実は、2013年に登場した現行型となる5代目モデルは、2022年に一旦、国内での生産と販売が終了した。しかし、中国生産となり、2023年暮れより日本市場にカムバックすることになったのだ。

2023年12月8日より「オデッセイ」の販売が再開した。
2023年12月8日より「オデッセイ」の販売が再開した。    中筋友郎

生産国は変わったが、基本的な部分は生産終了前と同じで、ルックスは2020年11月のマイナーチェンジ版のリフレッシュ程度だ。ただし、グレード編成と細かな装備・機能面での変更は行われている。

大きいのはパワートレインがe:HEVと呼ぶハイブリッドひとつになったことと、すべてのグレードが「ABSOLUTE(アブソルート)」と呼ぶスポーティ&ゴージャスなものとなったこと。そのため価格は480万0400円~516万4500円に。300万円台のお手頃グレードは消え去ったのだ。

それ以外の変更点は内装や機能面だ。2列目シートは電動化とヒーター追加を実施。ナビは大型化し、シフトレバーはスイッチ式のギヤセレクターになり、ステアリングに回生ブレーキの効き目を変える減速セレクターが追加された。

低速走行時の近距離衝突減速ブレーキや急アクセル抑制機能、オートハイビームなどの安全に関する運転支援機能が強化されているのも嬉しい点だ。

MM思想を実践したホンダらしさ息づく室内空間

今回、試乗したのはトップグレードとなる「e:HEV ABSOLUTE・EX BLACK EDITION」(516万4500円)だ。名前の通りに、グリルにホイール、ミラーにリアコンビネーションランプがブラックアウトされている。

ステアリングは本革巻きで、シート&インテリアの内装も本革だ。見るからに精悍であるし、乗り込んでみれば、価格に納得の質の良さを感じる。

内装には本革がふんだんに用いられ、質感高く仕上げられている。
内装には本革がふんだんに用いられ、質感高く仕上げられている。    中筋友郎

全高は1695mm。先代の1500mm台からは背が大きくなってはいるけれど、それでもトヨタの「アルファード」の全高1935mmには遠く及ばない。やはり、今も「オデッセイ」は、背の低いミニバンなのだ。

しかし、ホンダ得意のMM思想(人の空間は大きく、メカは小さく)を実践する「オデッセイ」の床は非常に薄く、そして低い。車内空間の高さは十分なものが確保されている。

本革であり、オットマン&ヒーター付きの電動の2列目シートの安楽さも、この価格帯のクルマならでは。そして、3列目シートが床下に畳んで収納できるのも便利だ。また、約2年のブランクを埋めるような機能面での改良も施されている。

通信機能を活用した「Honda CONNECT」も最新になった。スマートフォンをデジタルキーにしたり、車内Wi-Fiなどが利用できるようになったのもトピックだ。Lクラスのミニバンに求められる利便性や快適性、機能性は合格点と言えるのではないだろうか。

記事に関わった人々

  • 執筆

    鈴木ケンイチ

    Kenichi Suzuki

    1966年生まれ。中学時代は自転車、学生時代はオートバイにのめり込み、アルバイトはバイク便。一般誌/音楽誌でライターになった後も、やはり乗り物好きの本性は変わらず、気づけば自動車関連の仕事が中心に。30代はサーキット走行にのめり込み、ワンメイクレースにも参戦。愛車はマツダ・ロードスター。今の趣味はロードバイクと楽器演奏(ベース)。
  • 撮影

    中筋友郎

    Tomoro Nakasuji

    1994年生まれ。2022年に大阪から上京し、フリーとして活動開始。プロダクトデザインを専攻した学生時代の情熱を内に秘め、広告やファッションを中心に撮影をこなす。2024年、若い車好きという必然が生んだ偶然により、AUTOCAR JAPAN編集部と出会い、意気投合。ついに自動車メディアに進出した。東京での仕事の相棒は真っ赤な日産ラフェスタ(B30型)。かつては2代目のフォルクスワーゲン・ゴルフと苦楽を共にした。instagram:@tomoro
  • 編集

    香野早汰

    Hayata Kono

    1997年東京生まれ。母が仕事の往復で運転するクルマの助手席で幼少期のほとんどを過ごす。クルマ選びの決め手は速さや音よりも造形と乗り心地。それゆえ同世代の理解者に恵まれないのが悩み。2023年、クルマにまつわる仕事を探すも見つからず。思いもしない偶然が重なりAUTOCAR編集部に出会う。翌日に笹本編集長の面接。「明日から来なさい」「え!」。若さと積極性を武器に、日々勉強中。

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