魅力くっきり、フラッグシップミニバンここにあり ホンダ・オデッセイが帰ってきた

公開 : 2024.02.01 07:35  更新 : 2024.02.01 14:45

もちろん注目は走り 軽快なハンドリング、爽快な加速感

便利で質感が高いのも嬉しいが、やはり「オデッセイ」の魅力の本丸は走りだろう。走行シーンの多くを最高出力184ps・最大トルク17.8kg-mのフロントモーターが担う。スムーズかつ、トルクフルで、スルスルスルと滑るように加速してゆく。その反応は鋭く、そしてダイレクトだ。

ドライバー右側のインパネにある「SPORT」ボタンを押し込めば、エンジンが稼働し、「いつでもフルパワーでの加速に対応するぞ!」という姿勢を見せる。そこでアクセルを踏み込めば、颯爽たる加速にあわせて、軽快で澄んだエンジン音が耳に届く。まるでスポーツカーのような爽快さだ。

加速は鋭く、ダイレクトだ。
加速は鋭く、ダイレクトだ。    中筋友郎

ハンドリングも軽快そのもの。振幅感応型ダンパーが、大きな動きには減衰を強く、小さな振動には柔らかく動きを変える。もともと背が低く、慣性モーメントが少ない「オデッセイ」だから、ロールやピッチングの動きはごくわずか。

Lサイズではなく、1クラスも2クラスも小さなクルマを運転しているような軽快さが楽しめるのだ。

精悍なブラックなルックスと、質感が高く、かつ機能的な室内空間、そしてホンダらしい軽快な走りを揃えるのが再登場した「オデッセイ」であった。MM思想をもとにした、走りが光るミニバン。いかにもホンダらしい1台ではないだろうか。

試乗車のスペック

価格:516万4500円(税込 オプションなし)
全長×全幅×全高:4860×1820×1695mm
燃料消費率(WLTC):19.9km/L
駆動方式:前輪駆動
車両重量:1950kg
パワートレイン:直列4気筒DOHC 1993cc
使用燃料:ガソリン
最高出力:145ps/6200rpm
最大トルク:17.8kg-m/3500rpm
モーター最高出力:184ps/5000-6000rpm
モーター最大トルク:32.1kg-m/0-2000rpm
ギアボックス:電気式無段変速機
タイヤサイズ:225/50R18(フロント)225/50R18(リア)

ホンダ・オデッセイ
ホンダ・オデッセイ    中筋友郎

記事に関わった人々

  • 執筆

    鈴木ケンイチ

    Kenichi Suzuki

    1966年生まれ。中学時代は自転車、学生時代はオートバイにのめり込み、アルバイトはバイク便。一般誌/音楽誌でライターになった後も、やはり乗り物好きの本性は変わらず、気づけば自動車関連の仕事が中心に。30代はサーキット走行にのめり込み、ワンメイクレースにも参戦。愛車はマツダ・ロードスター。今の趣味はロードバイクと楽器演奏(ベース)。
  • 撮影

    中筋友郎

    Tomoro Nakasuji

    1994年生まれ。2022年に大阪から上京し、フリーとして活動開始。プロダクトデザインを専攻した学生時代の情熱を内に秘め、広告やファッションを中心に撮影をこなす。2024年、若い車好きという必然が生んだ偶然により、AUTOCAR JAPAN編集部と出会い、意気投合。ついに自動車メディアに進出した。東京での仕事の相棒は真っ赤な日産ラフェスタ(B30型)。かつては2代目のフォルクスワーゲン・ゴルフと苦楽を共にした。instagram:@tomoro
  • 編集

    香野早汰

    Hayata Kono

    1997年東京生まれ。母が仕事の往復で運転するクルマの助手席で幼少期のほとんどを過ごす。クルマ選びの決め手は速さや音よりも造形と乗り心地。それゆえ同世代の理解者に恵まれないのが悩み。2023年、クルマにまつわる仕事を探すも見つからず。思いもしない偶然が重なりAUTOCAR編集部に出会う。翌日に笹本編集長の面接。「明日から来なさい」「え!」。若さと積極性を武器に、日々勉強中。

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