東欧版「ジムニー」登場? 過酷な屋外活動向け電動SUV 右ハンドル発売
公開 : 2024.02.01 18:05
・チェコの新興企業が無骨なスタイルの小型電動SUVを発表。
・ジムニーやGクラスのようなボディに高トルクのモーター搭載。
・農林業、鉱業、自然保護活動向けの「商用車」として英国で発売。
無骨なコンパクト電動SUV
チェコの新興企業MWモーターズは、クロスカントリーSUVの新型スパルタンEV 2.0(Spartan EV 2.0)を英国で発売した。右ハンドル仕様で、価格は4万9995ポンド(約930万円)からとなる。
新型スパルタンEV 2.0は、オフロードの走破性を重視したラダーフレーム構造のEVで、農業、林業、自然保護活動、鉱業、エクストリーム・スポーツといった分野をターゲットとしている。英国では「小型商用車」として分類される。
メルセデス・ベンツGクラスやスズキ・ジムニーを彷彿とさせるボディシェルは、インドのフォース・モーターズのグルカという4WD車から流用している。バッテリーは中国から仕入れるが、それ以外はすべてMWモーターズの手によるものだ。
先代のスパルタンEVは、1971年に開発されたロシアのUAZハンターをベースとする改造車であった。2020年の発売以降、世界各地の顧客からフィードバックを集め、新型車の開発に役立てた。
第2世代となるスパルタンEV 2.0では、最高出力176ps、最大トルク110kg-mの電気モーターを1基搭載し、トランスファーケースを通して四輪を駆動する。また、フロントとリアには手動ロック式ディファレンシャルが装備され、ヒルディセントコントロールも備わっている。
ボンネット下には57.4kWhのバッテリーが配置され、1回の充電で240kmの航続距離を持つ。MWモーターズによると、これは平均的な顧客の1週間の作業に十分な距離であるという。
充電速度は最大90kWで、30分強で20~80%の充電が可能だ。双方向充電に対応しているため、電動工具など外部機器に230Vの電力を供給することができる。
全長4116mm、全幅1812mmと、近年の一般的なオフロード車よりもかなり小さく、農村部での操作性に優れる。アプローチアングルは38度、デパーチャーアングルは35度、ブレークオーバーアングルは25度とされている。
車両重量2350kg、最大積載量1025kg、最大牽引能力は3000kg。
サスペンションはフロント、リアともにコイルスプリングで、アンチロールバー付きとなる。
機能性重視の実用車
「スパルタン」という車名とは裏腹に、内装はハードな仕様ながら快適性も重視しており、布張りのアジャスタブルシート、2ウェイ調整可能なステアリングホイール、パワーウィンドウ、エアコン、デジタルメーターディスプレイ、インフォテインメント・タッチスクリーンが装備されている。
MWモーターズのゼネラルマネージャー、ルカシュ・メテルカ氏は取材で次のように語った。
「機能性を犠牲にすることなく、ラフな4×4を超えた体験を提供します。荒れた地形だけでなく、舗装路でも本当に快適です。質感は損なわれていません。高速道路で見かける他車と比べても遜色ないでしょう」
「公園や自然の世話をしている方なら、動物や周囲の環境への影響を考えなければならないはずです。だからこそ、静かで汚染も少ないEVが必要なんです」
英国部門セールスマネージャー、ロッシュ・メンディス氏は、「高級SUVを探している方には向いていません。これは機能的で実用的な実用車です。しかし、現代のクルマらしい快適性を備えており、しかも完全なEVです」と語った。
また、MWモーターズは今年後半、スポーツカーの新型ルカEV(Luka EV)の導入を計画している。1950年代のタトラ車からデザインのインスピレーションを得ており、「優れたハンドリング」実現するという。