ロータス 新型軽量スポーツカー、2027年発売へ バッジは飾りじゃない

公開 : 2024.02.02 06:05

・ロータスは次世代の電動スポーツカーを2027年発売予定。
・目標価格は約7万5000ポンド(約1390万円)? ブランドの中心に。
・専用プラットフォームで軽量化と低車高を実現。

エリーゼ後継EV、価格設定を重視

英国の自動車メーカーであるロータスは、スポーツカーのエリーゼの後継となる新型EVを2027年に投入する。英国価格は約7万5000ポンド(約1390万円)からと予想されている。

新型EVは2シーターのスポーツカーで、「タイプ135」というコードネームで呼ばれる。ロータスの本拠地である英国で開発・生産される予定で、ラインナップに欠かせない存在だという。

「軽量スポーツカー」を謳う新型EVが2027年に登場する。(編集部作成予想イメージCG)
「軽量スポーツカー」を謳う新型EVが2027年に登場する。(編集部作成予想イメージCG)    AUTOCAR

タイプ135は、大型SUVのエレトレ、セダンのエメヤ、DセグメントSUVのタイプ134に続き、事業計画「Vision80」で投入する4車種のEVの最後のモデルだ。

ロータス・グループのチーフ・コマーシャル・オフィサーであるマイク・ジョンストン氏は、タイプ135の目標価格を達成することが「鍵」だと語った。

「目標価格の達成は大きな一歩というわけではありませんが、数多くの新技術が導入されます。これはエンジニアリングの課題であり、ロータスが到達すべき場所なのです。そのため、わたし達は価格をそのレベルで達成できるよう、鋭意努力する必要があります」

ロータスのバッジは飾りじゃない

タイプ135は年間販売台数1万~1万5000台を目指しているが、これに対してエレトレは5万台、タイプ134は9万台と、比較的少量生産となる。それでもブランドにとって重要なモデルであることに変わりはないとジョンストン氏は言う。

「わたし達は “ブルズアイ” と呼んでいます。(ブランドの)中心にあるのは常に軽量スポーツカーです。それが、スポーティな特徴を持つ他モデルを作るための信頼性につながるのです」

ロータス・タイプ134(左)とタイプ135(右)のシルエット
ロータス・タイプ134(左)とタイプ135(右)のシルエット    ロータス

「エレトレがエリーゼのようなフィーリングになるなどと言うつもりはありません。しかし、軽量感があり、ハンドリングはSUVの中では最高だと思います」

「また、2シーター・スポーツカーでなければなりません。そうでなければ、ロータスのバッジをつけただけのブランドになってしまう。スポーツカーはロータスの未来にとって不可欠なものなのです」

ロータスは以前、ルノー・グループの高性能車ブランドであるアルピーヌと共同で電動スポーツカー専用プラットフォームを開発していたが、昨年提携が解消された。それぞれ独自に開発を進めることになるが、タイプ135の開発は遅れていないという。

ミドシップ車のような専用構造?

ロータスは、76年の歴史と先進技術を強調することで、既存の高性能車ブランドと新興EVメーカーの間にある「空白地帯」を埋めようとしている。そこに成長の機会を捉えたのだ。

グループのデザイン責任者であるベン・ペイン氏は、タイプ135は専用プラットフォームを使用し、英国で開発・生産されるが、中国生産の他のモデルからも技術的な学びを得ると語った。

専用構造により軽量化と低車高を目指す。(編集部作成予想イメージCG)
専用構造により軽量化と低車高を目指す。(編集部作成予想イメージCG)    AUTOCAR

「スポーツカーとして、これまでのロータスのEVよりも多くの技術が組み込まれています。自動運転だけでなく、安全機能やお客様の期待に応えるためでもあります」

「他の製品とまったく同じ技術が搭載されるわけではありません。それはスポーツカーというセグメントにはふさわしくないからです。別物です。しかし、本当に強力な相乗効果が見られるでしょう」

タイプ135でベースとなるのが、軽量構造の「Eスポーツ(E-Sports)」プラットフォームである。ミドシップエンジン車風のレイアウトを特徴とし、バッテリーは通常のEVのような床下ではなく、車体中央に積む可能性が高い。これにより車高を低くし、重量配分を適切なものとする。

Eスポーツ・プラットフォームの全貌はまだ明らかにされていないが、内燃エンジン搭載のエミーラの構造よりも37%軽量化されているという。

搭載可能なバッテリーは66.4kWhから99.6kWhで、軽量かつ低車高の2シーターであれば480~700km近い航続距離を実現できるだろう。さらに、800Vシステムにより超急速充電を実現する見込みだ。

いずれにせよ、タイプ135の正式発表までもう少し待たねばならない。追加情報が入り次第、レポートしていく。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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