BMWi8
公開 : 2014.11.01 15:03 更新 : 2017.05.23 10:26
そんなこの日本仕様のドライビングポジションも、いっさいの違和感がないものだった。ステアリングホイールはドライバーズシートに対してきちんと正対する位置にあるし、ペダル類も同様。ちなみに、CFRP製ボディを採用するスポーツカーのトーボードは、前方で強く平面絞りが行われているものが少なくないが、幸いにも昨今はこうしたモデルでも2ペダルが主流という時代。それゆえ、右ハンドル仕様でもかつてのようにペダル類が左方向に強くオフセットしたモデルは、あまり見かけなくなっている。
すでに国際試乗会でEVモードやハイブリッドモードはチェック済みであることに加え、せっかくターンパイクを借り切りで走行出来るという貴重な機会でもあるので、今回の短時間のテストドライブでは当初からスポーツモードを選択し、エンジンパワーを積極的に活用しての走りを試みた。
「実は人工的に調律した音を、左後輪付近に設けたスピーカーから車外に放出している」と、国際試乗会の場で開発担当のエンジニアから明かされてちょっと仰天だったエンジンのサウンドは、もはやスポーティなチューニングが施されたV8ユニットかと聞き紛うほどに、勇ましく力強いもの。
最高231psと、1.5ℓエンジンとしては異例にパワフルなパワーが、DCTのごとくタイトな繋がり感を演じる6段A/Tを介して後輪に伝えられると同時に、最高131psの電気モーターが前輪を駆動。そんな4WDスーパースポーツカーとしては異例に軽い1.5tという重量に対し、システム合計で362psという出力は、もちろん世界一級のスポーツカーとして見ても十二分な値だ。実際、静止状態からアクセルペダルを深く踏み込めば、間髪を入れずに脱兎のごとく走り出す。エンジンが有効な出力を発する以前に強大なトルクを発揮出来るのは、もちろん電動パワーの威力であるわけだ。