ダイハツ前年6割超減の打撃大きく 1月期の新車販売は17か月ぶりに前年割れ

公開 : 2024.02.05 07:05

・1月期の新車販売概況を解説
・ダイハツ新車出荷停止の影響から、登録車・軽自動車いずれも前年比マイナスに
・さらなる不正問題も発覚、新車販売の先行き不安強く

登録車新車販売 ダイハツ不正がOEM先にも影響及ぼす

日本自動車販売協会連合会と全国軽自動車協会連合会は、2024年1月期の新車販売台数(速報値)を発表した。

日本自動車販売協会連合会がまとめた登録車の1月期の新車販売台数は、前年同月比5.5%減の21万6926台と13か月ぶりのマイナス。対して全国軽自動車協会連合会がまとめた1月期の軽自動車の新車販売台数は、同22.9%減の11万7912台と2か月連続でのマイナスとなる。結果として、トータルでの1月期の国内新車販売台数は同12.4%減の33万4838台と17か月ぶりの前年割れとなった。

トヨタ・プロボックス
トヨタ・プロボックス

登録車の1月期のブランド別新車販売台数では、認証申請における追加不正行為の判明に伴って出荷停止を行っているダイハツが前年同月比69.5%減の897台、ダイハツが生産を担うルーミーやプロボックスなどの出荷を停止しているトヨタ自動車が同14.4%減の10万3975台とマイナスを記録。

また、新車効果に一服感が出たマツダは同43.3%減の7233台、三菱自動車は同30.9%減の2824台と停滞する。

一方、ホンダは同67.2%増の2万8883台、日産自動車は同11.2%増の2万3839台、スズキは同2.7%増の1万1001台、スバルは同7.6%増の8117台、レクサスは同15.2%増の7238台と前年実績超えを果たした。

また、貨物車のブランドでは三菱ふそうが同2.6%増の2015台とプラスを維持したものの、いすゞ自動車は同0.4%減の4105台、日野自動車は同3.6%減の2547台とマイナスに転じ、さらにUDトラックスは同24.3%減の513台と前年割れが続いた。

スズキ、6か月ぶりシェアトップに 軽自動車

軽自動車の1月期のブランド別新車販売台数は、前年同月比で1.5%増の4万5709台を記録したスズキが6か月ぶりにシェアトップにつき、続いて同11.6%減ながら2万4520台を販売したホンダが第2位に位置する。前月トップのダイハツは、出荷停止が響いて同62.2%減の1万9346台と低迷した。

一方で日産自動車は同3.3%減の1万7202台と前年割れが続き、対してデリカミニなどの販売が好調な三菱自動車は同52.5%増の6130台とプラスを継続する。そして、OEM供給を受けるブランドではマツダが同5.9%増の3244台とプラスを記録したものの、ダイハツの出荷停止の影響が大きく出たトヨタ自動車は同51.2%減の1208台、スバルは同64.3%減の524台と苦戦した。

スズキ・アルト
スズキ・アルト

記事に関わった人々

  • 執筆

    大貫直次郎

    Naojiro Onuki

    1966年型。早稲田大学卒業後、自動車専門誌や一般誌などの編集記者を経て、フリーランスのエディトリアル・ライターに。愛車はポルシェ911カレラ(930)やスバル・サンバー(TT2)などのほか、レストア待ちの不動バイク数台。著書に光文社刊『クルマでわかる! 日本の現代史』、アシェット・コレクションズ・ジャパン刊『国産名車コレクション』シリーズなど。

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