ミニ・クーパーSDクロスオーバー
公開 : 2014.11.01 16:01 更新 : 2017.05.29 19:14
ミニ・クロスオーバーのマイナーチェンジ最大のトピックはディーゼル仕様の追加だ。
豊かなトルクは果たして、このモデルのキャラクターに相応しい走りを演出していた。
プレスリリースを見たら、ミニ・クロスオーバーをモデルチェンジしたとあったので調べてみたらこれまでの型式R60系がR60LCI系に換わっていた。内外装やメカの小変更を含むアップデート、日本式に言えばマイナーチェンジということらしい。
なのだが、ただのマイチェンかと流されずに済む話もある。ディーゼル搭載車が導入されたのだ。そのユニットはN47C20A型。つまりBMWが先代E90系3シリーズに載せていた2.0ℓ直4ディーゼルターボを横置きに改変したものである(現行F30系は新世代のN20型)。過給圧の違いでバリエーションを作り分けるのが現在の欧州の常道で、BMWが載せる2.0ℓのN47型には116ps、143ps、163ps、177ps、204psの5種があったが、クーパーSDのグレード名で143ps版が、そして112psというBMWにはない仕立てのものがクーパーDの名でやってくることになった。
とりあえず、そのエンジンの様子を焦点に、試乗車として与えられたクーパーSDを試してみる。朝一番の試乗枠だったので並んだクルマは揃って暖機運転していた。近づくと結構うるさい。昼間の街中でも現代の普通のガソリンエンジンとは違うことがはっきり分かるだろう。車外騒音はある程度しかたないと諦めて乗り込んでみる。すると室中でもN47C20A型は、はっきりと圧縮着火エンジンであることを自己主張していた。走り出して様子を見る。エンジン音はフロント隔壁越しに入ってくる。最近のディーゼル車はフロント隔壁の遮音を手厚くやってきていて、その代わり隔壁の周りから音が回り込んでくるパターンが多いのだが、これは違うようだ。回転が低いときにアクセルを開けて負荷をかけるとフロアも左足を置く樹脂製フットレストもビリビリ振動する。少なくともガソリンと同じ音環境では乗れないクルマではある。旧来的な質感で勝負しないミニ一族だから、これでいいと割り切ったのだろう。