ミニ・クーパーSDクロスオーバー
公開 : 2014.11.01 16:01 更新 : 2017.05.29 19:14
こうしてエンジンの検分をしているうちに分かったのがアシの仕立ての微変だ。3年前に乗ったクロスオーバーのガソリン車は、徹底的にリヤを粘らせて、面白くはないけれど安定性は盤石だった。ところが、これは違う。操舵すると、あっさりリヤが外に向かってスリップアングルをつける。どうやら伸び側ストロークをダンパーで規制してそうしているようだ。内輪の接地圧が抜けて外輪だけに負担が来るので、いかにも回り込みたがっているようなそういう機動が生まれるわけだ。しかし、その先ではフロントにロールアンダーが明確に出て姿勢は安定に落ち着く。これは現行3代目ミニでも見られた特性。操舵初期における回頭性で動きの軽さを演出するのが今のミニの方針なのだろう。ただアシが伸びにくいという性格は、不整路で接地感が途切れるという欠点も連れてきていた。ダンパー質がイマイチで伸び側の微小ストロークに融通が利かないのかもしれない。
今回はR61系ペースマンだが、ALL4という4輪駆動モデルにも乗った。これは電制の多板クラッチで前後を結ぶもの。その機構から想像するとおり、平穏な直進ではリヤの蹴り感は薄く、深い旋回で初めて後ろ足が効く感じ。機動性を尖らすのではなく安定マージンを増やすことが狙いの4WDのようである。
(文・沢村慎太朗 写真・花村英典)
クーパーSDクロスオーバー&JCWペースマン
価格 | 387.0万円 | 477.0万円 |
0-100km/h | 9.4秒 | 6.8秒 |
最高速度 | 197km/h | 226km/h |
公称燃費(欧州混合) | 17.5km/ℓ | 13.3km/ℓ |
CO₂排出量 | 149g/km | 175g/km |
車両重量 | 1420kg | 1480kg |
エンジン型式 | 直4DOHCターボディーゼル,1995cc | 直4DOHCターボ, 1598cc |
エンジン配置 | フロント横置き | フロント横置き |
駆動方式 | 前輪駆動 | 4輪駆動 |
最高出力 | 143ps/4000rpm | 218ps/6000rpm |
最大トルク | 31.1kg-m/1750-2700rpm | 30.6kg-m/1900-5000rpm |
馬力荷重比 | 101ps/t | 147ps/t |
比出力 | 71.7ps/ℓ | 89.5ps/ℓ |
圧縮比 | 16.5:1 | 10.5:1 |
変速機 | 6段A/T | 6段A/T |
全長 | 4120mm | 4135mm |
全幅 | 1790mm | 1785mm |
全高 | 1550mm | 1525mm |
ホイールベース | 2595mm | 2595mm |
燃料タンク容量 | 47ℓ | 47ℓ |
荷室容量 | 350-1170ℓ | 330-1080ℓ |
サスペンション(前) | マクファーソン・ストラット | マクファーソン・ストラット | サスペンション(後) | マルチリンク | マルチリンク |
ブレーキ(前) | φ307mm Vディスク | φ307mmVディスク | ブレーキ(後) | φ280mmディスク | φ296mmディスク |
タイヤ | 205/55R17 | 225/45R18 |