マツダCX-5が売れ続ける理由 スポーティ新規グレードとディーゼル支持層 ロイヤリティも付随
公開 : 2024.02.06 17:45
マツダのCX-5が売れ続けています。第二世代の登場から早くも7年が経過してもなお好調の理由を探りました。見えてきたのはスポーティ新規グレード設定とディーゼル支持層、そしてCX-5を乗り継ぐファン層です。
国内トップモデル
いまや、グローバルでマツダの定番商品となった、SUVの「CX-5」。国内市場で、CX-5の販売は高水準を維持している。
2023年1月~12月の国内販売総数は2万5714台で、国内マツダブランド車の中で最多だ。以下「CX-60」(2万3941台)/「マツダ2」(2万706台)/「CX-30」(1万8016台)/「CX-8」(1万7181台)/「マツダ3」(1万4310台)と続いて上位50モデルにランクインしている状況だ(一般社団法人 日本自動車販売協会連合会 調べ)
CX-5の販売は、海外でも好調である。マツダによれば、初代が登場した2012年から2023年10月までの世界総販売台数は、426万5936台に達している。
仕向け別で見ると、最も多いのが北米で173万9439台。次いで、欧州が79万8850台、中国が38万5306台、そして日本が36万2207台、さらにマツダ人気が高いオーストラリアが27万8217台となり、マツダブランドの中核と成すグローバルカーであることが分かる。
それにしても、第2世代登場の2017年から早くも7年が経つが、CX-5はなぜ売れ続けているのか?
ディーゼルの存在感
本稿では日本市場に焦点をあて、マツダ本社関係者からの聞き取り調査などを基に、CX-5が売れ続ける理由について深堀りしていきたい。
国内営業の関係者は「スタートポイントが大きく影響している」とCX-5人気継続の背景について話し始めた。つまり、2012年の初代CX-5登場時点を指す。
当時、CX-5は社会現象といっても良いほど、国内自動車産業界全体とユーザーに大きなインパクトを与えた。それが、クリーンディーゼル(スカイアクティブD)の存在だ。
国内市場では、東京都のディーゼル規制をトリガーとした「ディーゼル悪者」という風潮が長きに渡り続いていたが、そのイメージをCX-5が完全に塗り替えてしまうほど、クリーンディーゼル搭載モデルが売れに売れた。当初、CX-5全グレードのうち、クリーンディーゼルが9割を占めるほどの大人気となったのだ。
そこまで売れたのには、様々な理由がある。まずは、マツダ独自の気筒内燃料技術による、走りの良さと燃費の両立だ。筆者は、スカイアクティブ・エンジンについて、CX-5発売のかなり前の時点で「アテンザ」の外装をしたテスト車両に搭載された状態で、広島県三次(みよし)市内のマツダ三次で自動車試験場で試走し、その実力に度肝を抜かれた。