これがナンバー付きで乗れるなんて凄すぎる

1コーナーでブレーキを踏むと、加速に負けず劣らずものすごいストッピングパワーだ。

ブレーキペダルも高い剛性感があり、踏力に応じてリニアに制動が立ち上がるが、それに加えて720Sから大きく長くなったリアウィングが跳ね上がって空気の力も使うものだから、ブレーキを踏んだ瞬間、大袈裟でなく、自分のカラダがシートから離れて前傾してしまった。市販車に乗っていて、あーもっと体幹を鍛えねば、と思ったのは初めてだ。

まだまだ驚きは続く。不安定になりやすい1~2コーナーの間もクルマは路面に吸い付いたままビタッと安定している。そしてS字は、よりクイックになったステアリングレスポンスによりリズミカルに、舞う様な軽やかさで抜けていく。

さすがに「トラック」モードで走るとすべての動きがキレッキレでスパルタン。時にリアが若干スライドすることもあるが、軽量だからピーキーじゃないし、ESCがオンでもドライブの邪魔をせずに走らせてくれる。

パワートレイン/エアロダイナミクス/シャシー性能、すべての面で720Sより進化し、あらたな「ベンチマーク」であることを実感できる試乗だった。

もう、マクラーレン750Sはレーシングカーの域であり、これがナンバー付きで乗れるなんて凄すぎる。2月に入ったばかりだが、「2024年もっとも印象に残るクルマ」のトップからその座を明け渡すことはないだろう。

試乗車のスペック

価格：3930万円（税込　オプションなし）
全長×全幅×全高：4569×1930×1196mm
最高速度：332km/h
0-100km/h加速：2.8秒
燃料消費率：12.2L/100km
CO2排出量：276g/km
車両重量：1277kg
パワートレイン：V型8気筒3994cc＋ツインターボ
使用燃料：ガソリン
最高出力：750ps/7500rpm
最大トルク：81.58kg-m/5500rpm
ギアボックス：7速オートマティック
タイヤサイズ：245/35R19（フロント）305/30R20（リア）

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