走りに宿る兄弟の血筋、流麗なスタイリングに操る楽しさ ホンダZR-V

公開 : 2024.02.06 07:05

FFモデルが売れる理由とは?

SUV=4WDと考えてしまいがちだが、じつはZR-Vの販売比率ではFFが約7割、4WDが約3割なのだという。

FFでも最低地上高は200mmあり、スタッドレスタイヤを履いていれば都市部の積雪程度なら問題なく走れる。それに4WDより50kgも軽いし、燃費もいい。そして前述のような走りの良さも味わえるから、4WDまでは要らないと考える人も多いだろう。下のリンクにもあるように、欧州での展開もFFのe:HEVのみだ。

ホンダZR-Vの全グレードにホンダセンシングが標準装備される。
ホンダZR-Vの全グレードにホンダセンシングが標準装備される。

また、人気グレードの販売比率では、トップグレードのe:HEV Zが約80%とダントツの人気。今回試乗したe:HEV XとICEのZが約8%だという。

e:HEVのZでは、本革パワーシート、BOSEサウンドシステム、ホンダコネクト対応ナビゲーションなどを標準装備。Xとの価格差は60万円だ。

だが、Xにナビゲーションシステムをオプション装着しても約30万円。本革パワーシートやBOSEサウンドシステムまでは要らないというのなら、オススメできるだろう。パワートレーンやホンダセンシングといった安全装備の充実度は変わらず、車重は約50kg軽量だ。

以前に乗ったe:HEV Zと比べても走りに遜色はない。このe:HEV Xは、ZR-Vの実力を十二分に味わえるお値打ちグレードとして、狙い目であると言えよう。

試乗車のスペック

価格:339万9000円(税込 オプションなし)
全長×全幅×全高:4570×1840×1620mm
燃料消費率:22.1km/L(WLTC)
駆動方式:FF
車両重量:1560kg
パワートレイン:直列4気筒DOHC 1993cc
使用燃料:ガソリン
最高出力:141ps/6000rpm
最大トルク:18.6kg-m/4500rpm
電気モーター:交流同期電動機
電動機最高出力:184ps/5000-6000rpm
電動機最大トルク:32.1kg-m/0-2000rpm
ギアボックス:電気式無段変速機
タイヤサイズ:225/55R18(フロント)225/55R18(リア)

ホンダZR-V
ホンダZR-V

記事に関わった人々

  • 執筆

    篠原政明

    Masaaki Shinohara

    1958年生まれ。某自動車雑誌出版社をめでたく? 卒業し、フリーランスのライター&エディターに。この業界に永くいるおかげで、現在は消滅したものを含めて、日本に導入されている全ブランドのクルマに乗ってきた……はず。クルマ以外の乗りものもけっこう好きで、飛行機や鉄道、さらには軍事モノにも興味があるらしい。RJC会員。
  • 撮影

    神村聖

    Satoshi Kamimura

    1967年生まれ。大阪写真専門学校卒業後、都内のスタジオや個人写真事務所のアシスタントを経て、1994年に独立してフリーランスに。以後、自動車専門誌を中心に活躍中。走るのが大好きで、愛車はトヨタMR2(SW20)/スバル・レヴォーグ2.0GT。趣味はスノーボードと全国のお城を巡る旅をしている。
  • 編集

    香野早汰

    Hayata Kono

    1997年東京生まれ。母が仕事の往復で運転するクルマの助手席で幼少期のほとんどを過ごす。クルマ選びの決め手は速さや音よりも造形と乗り心地。それゆえ同世代の理解者に恵まれないのが悩み。2023年、クルマにまつわる仕事を探すも見つからず。思いもしない偶然が重なりAUTOCAR編集部に出会う。翌日に笹本編集長の面接。「明日から来なさい」「え!」。若さと積極性を武器に、日々勉強中。

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