60年間のベスト・オブ・ベストは? プリウス/フォーカス/128/100/Ro80 欧州COTYの1番を選ぶ(7)
公開 : 2024.02.18 17:46
20世紀へ相応しい洗練性や安全性、製造品質
かくして15台の頂点に輝いたのは、1990年代の代表、初代フォード・フォーカス。小さなフィアット128と同じく、素晴らしい運転の楽しさを備えていただけでなく、20世紀後半のモデルへ相応しい、洗練性や安全性、製造品質を備えていたためだ。
しかも、登場から26年が経過した今でも、スタイリングは新鮮でモダン。人気に陰りが出ていたフォード・エスコートからの脱却を図った、意欲的な新モデルでもあった。
エンジニアとデザイナーは、クラス最高の仕上がりを与えるべく、過剰といえる努力を投じたといっていい。そして、実際にフォードは成功を収めている。
初代フォーカスは、60年間の欧州COTYにおける、ベスト・オブ・ベスト。今後、クラシックカーとしても価値を高めていくに違いない。
年代別欧州COTY 上位5台の獲得得点
1位(24点):フォード・フォーカス(初代)
2位(16点):フィアット128
3位(14点):トヨタ・プリウス(2代目)
4位(12点):アウディ100
5位(9点):NSU Ro80
番外編:受賞できないBMW 3シリーズ
AUTOCARではドライバーズカーとして評価の高いBMWながら、1970年以降、欧州COTYで点数を伸ばすことは殆どなかった。その理由といえたのが、高価すぎるとみなされていたためだ。
21世紀に入り、3シリーズは3回も代替わりしているが、欧州COTYには選ばれていない。プレミアム・ドライバーズカーの定番といえる地位を獲得し、適度な大きさのサルーンとステーションワゴン、クーペ、カブリオレが提供されているにも関わらず。
初代から、優れた動的能力と製造品質、一級といえる人間工学、上品でハンサムなスタイリングなどが貫かれている。歴代の3シリーズは、審査員の高得点を得るのに不足なかったのではないかと、筆者は思う。
2025年に、3シリーズはモデルチェンジを迎える。バッテリーEVへ一新される予定だが、今度こそ欧州COTYの受賞はあるだろうか。