メルセデス・ベンツGLE 400eへ試乗 ラグジュアリーでタフ 少しお高めの新プラグインHV

公開 : 2024.02.10 19:05

新エンジンのプラグインHVがフェイスリフト後のGLEに登場 MLクラスから特徴を受け継ぐ容姿 競合以上に広い車内 穏やかな乗り心地 英国編集部が評価

MLクラスから特徴を受け継ぐスタイリング

メルセデス・ベンツGLEには、フェイスリフト後でも不思議な安心感が漂う。どこか、見慣れているからかもしれない。

この祖先といえるのが、1997年に登場したメルセデス・ベンツMLクラスだった。登場から時間の過ぎていた、Gクラスの後継モデルとして開発された、ラダーフレームへボディが載った堅牢なSUVだった。

メルセデス・ベンツGLE 400e 4マティック AMGライン・プレミアムプラス(英国仕様)
メルセデス・ベンツGLE 400e 4マティック AMGライン・プレミアムプラス(英国仕様)

2005年に2代目へ交代。巨大なSUV、GLクラスと共有するモノコック構造を採用し、操縦性を高め、BMW X5ポルシェカイエンとの戦いに備えた。3代目のモデル中頃から、GLEへ改名。EクラスのSUV版として、現在の人気へ結びつく地位を築いた。

振り返ってみると、MLクラスから数えて25年以上が経過している。マッシブなフロントノーズに、太く傾いたリアピラー、サイドウインドウと繋がったように見えるリアウインドウなど、スタイリングの特徴はしっかり受け継いでいる。ふくよかな美しさも。

若干心を乱すのが、フェイスリフトと同時に導入された、400eの価格だろう。これは、現在の英国へ導入されるGLEとしては唯一のプラグイン・ハイブリッドで、8万8000ポンド(約1639万円)からに設定された。

今回試乗したAMGライン・プレミアムプラスでは、9万2755ポンド(約1725万円)へ上昇。最大牽引重量を2.7tから3.5tまで高めるオプションを追加すると、9万5000ポンド(約1767万円)を超えてしまう。

ライバル以上に広い車内 穏やかな乗り心地

ボンネット内のエンジンが、コンベンショナルな2.0L 4気筒ターボだという事実が、余計に高く感じさせることは否めない。例えば主なライバル、X5 xドライブ50eには直列6気筒エンジンが搭載され、お値段はだいぶ安い。操縦性も良く、加速もより鋭い。

ポルシェのカイエン E-ハイブリッドなら、さらにお手頃。走りも一層良い。

メルセデス・ベンツGLE 400e 4マティック AMGライン・プレミアムプラス(英国仕様)
メルセデス・ベンツGLE 400e 4マティック AMGライン・プレミアムプラス(英国仕様)

GLE 400eの強みは、ライバル以上に広い荷室と、リアシート側のゆとり。しかも、駆動用バッテリーとモーターの力だけで、最大104kmも走ることができる。

電費効率が高いとはいえないかもしれない。それでも充電量が不足するまで、バッテリーEVのように心地良く運転できる。急速充電能力も最高60kWまでと、クラスをリードする性能を備える。

英国の一般道を走らせてみると、全体的な質感は素晴らしい。英国仕様ではエアサスペンションが標準で、X5では得られない、路面から浮いたような穏やかな乗り心地を実現している。

ただし、試乗車は22インチ・ホイールを履いており、荒れた路面では多少の音振でその事実を伝えてくる。パタパタと。高速道路では、風切り音が驚くほど小さい。ちなみに、ステアリングコラムから、僅かにきしみ音が聞こえることがあった。

車内のデジタル技術は先進的。フロントシートは肉厚で、可動域が広く、座り心地は心地良い。2645kgの車重と4924mmの全長を気にしなくなるほど、運転しやすい。

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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