アウディ最強ワゴン 過激スタイルの新型RS6アバントGT 世界660台限定生産

公開 : 2024.02.07 18:05

・アウディRS6アバントの特別仕様車「GT」が登場。660台限定。
・レーシングカーのようなカラーリング採用。4.0L V8で630ps。
・強化されたエアロ、軽量カーボンパネル、足回り改良で動力性能アップ。

究極のRS6アバント登場

ドイツの自動車メーカーであるアウディは、ステーションワゴンのRS6アバントの限定モデルとして「RS6アバントGT」を欧州で発表した。

空力性能、カーボンファイバー製ボディパネル、特別なカラーリングを備えた特別仕様車で、世界でわずか660台の限定生産となる。価格は未定だが、今年の第2四半期に納車開始予定だ。

アウディRS6アバントGT
アウディRS6アバントGT    アウディ

2020年に社内の見習いチームによって製作されたRS6 GTOコンセプトの市販バージョンであり、RS6アバントの最上位グレード「パフォーマンス」をベースにしている。アウディの1989年のIMSA GTOレーシングカーから全体的なインスピレーションを得たという。

RSモデルを手掛けるアウディ・スポーツのロルフ・ミヒル代表は取材に対し、2020年のコンセプトの段階では市販化は予定されていなかったと語った。

「すべてのRSモデルは一定の役割を果たさなければならないので、社内では本当に厳しい議論になりました。GTOコンセプトに可能な限り忠実でありながら、RSの特徴を反映させるということを目指しました」

「カーボンファイバー製のボンネットやフェンダーを作るだけでも大変な作業となるため、可能な限り迅速に取り組まなければなりませんでした」

レーシングカーのようなリバリー

アウディが電動化を進める中、RS6アバントGTは強力なV8ガソリンエンジンを搭載している。ミヒル代表は、アウディ・スポーツにとってこれが最後のV8搭載車になるかという問いに対しては明言を避けたが、「最終ビジョン」というよりは「新素材のショーケース」であると説明する。

例えば、アウディの市販車としては初めて、ボンネットとフェンダーにカーボンファイバーを使用している。

アウディRS6アバントGT
アウディRS6アバントGT    アウディ

「カーボンファイバーはレースでは基本の1つであり、バネ下重量の軽減を常に目標としているため、新素材として紹介したかった。いくつものカーボン製アタッチメントでマシンを改良し、技術を可視化したかったのです」

RS6アバントGTの外観は、可能な限りGTOコンセプトに沿ったものとなっている。カラーリングのパターンは複数あり、1つはアルコナ・ホワイトのボディにブラック、グレー、レッドのデカールを組み合わせたもので、この場合22インチホイールはグロスホワイトとなる。

また、モータースポーツにインスパイアされたダブルウィング、突出したリアディフューザー、アグレッシブなフロントスプリッターといったエアロパーツで走行性能を高める。ルーフレールは取り外されている。

インテリアでは、「RS6 GT」の文字がアームレストやシートバックなど各所に刻まれている。スエード調のシート、ステアリングホイール、フロアマットにはレッドとブロンズのステッチが施されている。

ミヒル代表は、RS6アバントGTを市販化した動機について、「アウディのショーカーがなかなか発売されないというフィードバックをお客様からたくさんいただいたんです。また、RS6 GTOコンセプトで見習いチームの腕前にも驚かされました」と語った。

パワートレインとしては、通常のRS6と同じ4.0L V8ツインターボを搭載し、最高出力630psと最大トルク86.5kg-mを発生する。軽量化と空力調整により、0-100km/h加速は0.1秒短縮されて3.3秒に、0-200km/h加速は1.5秒短縮されて11.5秒となった。最高速度は305km/hに制限される。

サスペンションとリア・ディファレンシャルが改良されたほか、コイルオーバーは標準車よりも10mmローダウンされ、剛性も高められている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジョナサン・ブライス

    Jonathan Bryce

    英国編集部。英グラスゴー大学を卒業後、モータージャーナリストを志しロンドンに移住。2022年からAUTOCARでニュース記事を担当する傍ら、SEO対策やSNSなど幅広い経験を積んでいる。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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