3種の「日産キャラバン」 車中泊ならどう選ぶ? マイルームか、オーテックのマルチベッドか

公開 : 2024.02.07 20:35

趣味で使い倒す派は「マルチベッド」一択

おしゃれなキャラバン・マイルームはローンチエディションという特別仕様車が先行デビューした形なので、600万円~700万円超えという高価格帯であった。

マイルームの洗練されたテイストは魅力だけれど、車中泊の脚を“ガチで使い倒す”派のユーザーもいる。

オーテックのキャラバン「マルチベッド」
オーテックのキャラバン「マルチベッド」    AUTOCAR JAPAN編集部

そんな方たちに選ばれているのが「キャラバン・マルチベッド」。価格は365万3100円~。

日産モータースポーツ&カスタマイズ社(NMC)のオーテックが架装を担当している。

こちらは車体左側と右側にベッドがそれぞれ配置されており、いわばツインベッドのようになっている。どちらも壁側に跳ね上げて格納できるタイプだ。

2つのベッドの間にOPの脱着式テーブルを設置できるのは実用的。高さも10段階で調整できる。

左右にセパレートしたベッドではあるが、隙間にマットを敷き詰めてベッドを広げられ、最大で幅1510×長さ1760mmのサイズになる。その状態でも脱着式テーブルを使うことができるのは面白い。

マイルームに比べてベッド下のスペースが広いのも、大きな荷物が必要なキャンパーにはメリットだろう。

NMC「オーテック」の作り込みも注目

「マルチベッド」のあちこちを手で触れてみると、ベッドのフレームも、テーブルの造りも、シートキャッチもとにかく頑丈。

オーテックは日産の福祉車両も手掛けているので耐久性に十分配慮しているのがよく分かる。

2列目シートが折りたため、ベッドスペースへのアクセス性が高いのはキャラバンの魅力。
2列目シートが折りたため、ベッドスペースへのアクセス性が高いのはキャラバンの魅力。    AUTOCAR JAPAN編集部

フロアには撥水性が高い素材を張り付けているし、凹凸がない床面になるようわざわざ手作業で仕上げているというのも実用重視の作り込み。

また2列目シートが折りたためるので、スライドドアからベッドスペースに出入りしやすい点はハイエースのユーザーが羨むポイントになりそうだ。

50周年を迎えた「キャラバン」はこうしたアウトドア志向のラインナップを拡大中。欧州の強豪といえる「フィアットデュカト」も正規輸入されるようになり、ハイエース一強だったバンコンバージョンのキャンピングカーはベース車の選択肢が増えてきた。

車中泊やキャンプを楽しむライフスタイルが根付いてきた日本で、この変化はどんな影響を与えるのか。これから数年の動向は見ものである。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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