えっ、愛車が型式指定取り消しに! まさかの事態、どう対応する? ダイハツ問題を通じ解説

公開 : 2024.02.08 18:35

ユーザーの生命に直結する機能に リコール届け

もうひとつの重大な問題は「側面衝突試験において乗員救出性に関する安全性能(ドアロック解除)」です。これは、万一の交通事故での衝突で、パワードアロックが作動してしまい、乗員の救出に時間がかかる恐れがあるという問題です。

この問題に関しては、1月24日にリコールが届け出されました。該当するのはダイハツ「キャスト」とトヨタの「ピクシスジョイ」の2車種です。ディーラーにおいて、ドアロックを対策品への交換を行うことになります。

ダイハツ・キャスト
ダイハツ・キャスト

該当車の数は、「キャスト」で約29万台、「ピクシスジョイ」で約3万5000台。「キャスト」は2015年式から、「ピクシスジョイ」は2016年からのモデルが該当するため、オーナーはディーラーに確認を取ってみましょう。

そして、それ以外のダイハツ車に関しては、実のところ、それほど重大な問題がありません。実際に1月から国土交通省の立ち合い試験などを経て、1月19日に5車種、1月30日に10車種が道路運送車両法の基準にて適合していることが確認され、出荷停止が解除されています。

国が立ち会う試験で検証を重ね、慎重を期して再開へ

国土交通省に立ち会いのもとで試験を行い、出荷停止が解除されたとなれば、次は生産の再開です。とはいえ、明日から急にすべてが生産再開になるわけではなく、ダイハツは慎重に生産を開始する様子です。

現在(2月4日の時点)で決まっているのは、2月12日よりトヨタ「プロボックス」/マツダ「ファミリア・バン」を生産再開するということ。そしてダイハツ「ミライース」/「ハイゼットトラック」「ハイゼットカーゴ」「アトレー」を2月19日以降に生産できるかどうかを調査しているという状況です。

ダイハツ・アトレー
ダイハツ・アトレー

そして、出荷停止となる車種は、まだ残っているというのが現状です。

これからも国土交通省の立ち合いの元に試験を行い、出荷停止解除、そして生産再開というのが、これからの予定となるようです。全工場からの出荷停止という危機的状況から、信用回復に向けて歩み出した。それが現在のダイハツの状況ではないでしょうか。

記事に関わった人々

  • 執筆

    鈴木ケンイチ

    Kenichi Suzuki

    1966年生まれ。中学時代は自転車、学生時代はオートバイにのめり込み、アルバイトはバイク便。一般誌/音楽誌でライターになった後も、やはり乗り物好きの本性は変わらず、気づけば自動車関連の仕事が中心に。30代はサーキット走行にのめり込み、ワンメイクレースにも参戦。愛車はマツダ・ロードスター。今の趣味はロードバイクと楽器演奏(ベース)。
  • 編集

    香野早汰

    Hayata Kono

    1997年東京生まれ。母が仕事の往復で運転するクルマの助手席で幼少期のほとんどを過ごす。クルマ選びの決め手は速さや音よりも造形と乗り心地。それゆえ同世代の理解者に恵まれないのが悩み。2023年、クルマにまつわる仕事を探すも見つからず。思いもしない偶然が重なりAUTOCAR編集部に出会う。翌日に笹本編集長の面接。「明日から来なさい」「え!」。若さと積極性を武器に、日々勉強中。

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