EVのある生活 電動化まっしぐらの英国で実践してみた 所有コストの違いは?
公開 : 2024.02.17 18:05
エンジン車からEVに乗り換えるとどうなるのか。EV所有歴3年の筆者(英国人)がコストや中古車事情を解説。人気の日産リーフで注意すべき点とは。
所有歴3年、EVについて振り返る
EV(電気自動車)の普及は、ジェットコースターのように波乱に満ちている。
ゼロ・エミッション車の普及を目的とした政府の補助金が出たり消えたりする一方で、販売価格は概して高止まりしている。そして、筆者(英国人)自身がEVを所有するようになって3年が経った今、もっと安くEVを乗り続ける方法を見つけたいと思うようになった。
先に断っておくが、この記事は伝道的な売り込みではない。EVは万人向けのものではない。しかし、日常的な運転には向いている。
筆者の家庭では、自分と妻のために2021年初めに2台のEVを購入した。散々言われていることだが、EVは底なしのトルクと低重心で、運転するのが楽しいと思う。ガソリンスタンドにも行かなくて済む。
ここでは、筆者がEVに乗り換えた理由、かかった費用、中古車の探し方について紹介したい。
EVを買うのにいくらかかった?
2021年初頭にはまだ英国政府の補助金が残っており、それに加えてお得なキャンペーンがあったため、筆者にとって「エンジン車との価格差」はほぼ中和された。ヒョンデ・コナ・エレクトリックやキアeニロといった、長距離を走れる手頃なEVが登場したことも切り替えの決め手だった。
そこで筆者は、手持ちのガソリン車とディーゼル車をキアeニロとルノー・ゾエZE50 R135 GTラインに乗り換えた。ゾエは主に自宅近辺での使用を想定していたが、どちらのクルマでも長い距離を走れるようにしておきたかったので、一番大きな52kWh(使用可能容量)のバッテリーを選んだ。
バッテリーのコストはEVの総価格の40%にもなると言われているので、個人的にはこの選択が「失敗」だった。使わないバッテリー容量を買うのは無駄である。
とは言っても、今回はそれなりにうまく条件が重なり、総所有コストを抑えることができている。
キアの場合、それまでのディーゼル車(2012年式BMW X5 xドライブ40d Mスポーツ)にかかっていた多額の燃料代、税金、保険料とは対照的に、6km/kWhと電費が良く、税金も安い。
ルノーの方は、フォード・プーマ1.0エコブーストからの買い替えだったため、それほど印象的な違いはないが、それでも長期的には意味があった。
筆者は2台とも3000ポンド(約55万円)の補助金を利用し、PCPで購入した。PCPとは、個人向けのリース契約のこと。ルノーの場合は補助金をそのまま頭金としたが、キアの場合は月々の支払いを抑えるためにかなりの頭金を追加した。