見た目は旧式 中身は最新! EVなら悪路が簡単になる MWモーターズ・スパルタンへ試乗 

公開 : 2024.02.20 19:05

内装はオリジナルから一新 静かに悪路を進む

こんな現場からのフィードバックが、スパルタン EVを進化させた。英国での営業を統括する、ロシュ・メンディス氏が説明する。「屋外での仕事に従事し、道具を必要とする人のためのクルマです」

「実際に運転すれば、どんなオフローダーと比べても互角に悪路へ立ち向かえることへ、驚かれると思いますよ」。すごい自信ですね。と思わず口にしてしまった。「わたしたちは、必ず成し遂げます」。と、メテルカが横から加勢する。

MWモーターズ・スパルタン EV2.0(欧州仕様)
MWモーターズ・スパルタン EV2.0(欧州仕様)

どれどれと、スパルタン EV2.0の運転席へ座ってみる。広々とした車内は、オリジナルのハンターから一新。内装パネルなどは、堅牢なプラスティック製だが、シートは座り心地が良く、ステアリングコラムと同時に調整域が広い。

メーターパネルはモニター式。ダッシュボードには、小さめのインフォテインメント用タッチモニターも備わる。

運転席横のレバーを動かし、4WDロー・モードを選び、シフトレバーでDを選択。とても静かに発進する。ほかに、フロントとリアのデフロック用レバーも2本備わる。

同じ場所で、過去にトヨタランドクルーザーを運転したことがある。4気筒ディーゼルエンジンは豪快にうなり、アンチロック・ブレーキはガツガツと振動したのを思い出す。

ワダチの深い急勾配で、ステアリングホイールがぐらつく。それでも、軽く回せ修正しやすい。今では回生ブレーキも強化され、ブレーキペダルを力いっぱい踏む必要もない。試作車ということで、ヒルディセント・コントロールが備わらず、少し滑るが。

話題性の高いモデルになる可能性

水たまりへ突っ込みながら、ランドローバーならどんな感じなのだろうと想像する。ホイールスピンしないよう、アクセルペダルを半分しか踏んでいないが、それで問題なく走る。木々を避けながら運転するだけで、過酷な状況を乗り越えられる。

メンディスは、さも当然という表情だ。「顧客向けのデモ走行を実施する度に、驚かれます。最初は緊張していましたが、凄く簡単ですね、という感想をいただきます。バッテリーEVなら、とても容易になるんです」

MWモーターズ・スパルタン EV2.0(欧州仕様)
MWモーターズ・スパルタン EV2.0(欧州仕様)

メテルカもうなずく。「多くの人は、四輪駆動車や悪路は難しいと考えています。このクルマなら、誰でも運転できるはずです」

それでは、現場へ往復する舗装路はどうなのだろう。「高級SUVをお考えなら、適したクルマではないでしょうね」。とメンディスは認める。

「そんなクルマではなく、機能的で実用的なものです。現代的な快適性は、備わっていますが」。主なライバル、マンローなどより、極端な内容ではないとも付け加える。

メテルカが続ける。「無骨な四輪駆動車以上の体験は提供します。悪路だけでなく、一般道でも本当に快適ですよ。舗装路での質感にも妥協はありません。高速道路を、他のクルマと遜色なく走れます。四輪駆動として、ユニークな強みだと思います」

最後の発言には、ディフェンダーGクラスを提供する自動車メーカーが、きっと異議を唱えるだろう。しかし、彼の発言どおりだとしたら、スパルタン EV2.0はかなり話題性の高いモデルとなるに違いない。

MWモーターズ・スパルタン EV2.0(欧州仕様)のスペック

英国価格:4万9995ポンド(約930万円)
全長:−mm
全幅:−mm
全高:−mm
最高速度:−km/h
0-100km/h加速:−秒
航続距離:240km以上
電費:4.0km/kWh
CO2排出量:−
車両重量:2350kg
パワートレイン:AC永久磁石同期モーター
駆動用バッテリー:57.4kWh(実容量)
急速充電能力:−kW(DC)
最高出力:176ps
最大トルク:109.4kg-m
ギアボックス:1速リダクション(四輪駆動)

記事に関わった人々

  • 執筆

    クリス・カルマー

    Kris Culmer

    英国編集部ライター
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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